
この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
- FX取引にかかる「コスト」
- スプレッドと手数料の違い
- スプレッドから実際の取引コストを計算する方法
- スプレッドと手数料以外に注意すべき取引コスト
を解説します。
FX取引には、手数料以外に「スプレッド」と「スワップ」のように事前に把握できるコストと「スリッページ」のように実際に取引してからでないと把握できないコストがあります。
FX取引コストはFXブローカーごとに異なります。
「手数料無料」と書いてある場合も、スワップを広くしたり、他で帳尻を合わせていることがほとんどです。(FX業者もビジネスなどで取引コストがゼロになることはまずないです。)
そのため、手数料とスプレッドとスワップを合わせた事前に把握できるトータルの取引コストを比較してFXブローカーと口座を選ぶことをおすすめします。
スプレッドはFX取引の中でもっとも重要な取引コストです。多くの海外FXブローカーは変動制を日本国内のFX業者は固定スプレッドを採用しています。
FX取引では、FX業者が売りたい(Ask)価格と買いたい(Bid)価格が、トレーダーが買える(Ask)価格と売れる(Bid)価格になります。
そのため、両者には開きがあり、この差が「スプレッド」です。
例えば、ドル円のトレードを考えてみます。
レートが「Ask 150.05円」、「Bid 150.00円」で「1ロット、ロング(買い)エントリー」した場合
購入金額は
150.05(Ask) × 1(Lot) × 100,000(通貨) = 15,005,000円分のドル(100,000ドル)を買ったことになります。
この購入したドルをドル円の価格が変わらないうちにすぐに売った場合、売れる価格は「Bid150.00円」です。
このため売却金額は
150.00(Bid) × 1(Lot) × 100,000(通貨) = 15,000,000円戻ってきます。
この時「売却金額」から「購入金額」を引いた差額が売買損益になります。
今回の例では、15,000,000円 – 15,005,000円 = -5,000円のマイナスです。
これがスプレッドによる「取引コスト」です。
ドル円の価格は変動していませんが、スプレッドによる取引コストの影響で損益がマイナスになります。
実際の取引で、スプレッドコストを毎回計算していては面倒です。MT4で注文したいロット数に応じた、スプレッドによる取引コストを自動計算して表示できる取引ツールをプレゼント中です。
興味のある方は、以下の記事からダウンロードして使ってください。
日本時間の早朝や「経済指標」前後の時間帯はスプレッドが一時的に広がるため、取引コストが高くなるので注意しましょう。
上の図は、一か月間ゴールドのスプレッドを計測した結果の平均値です。早朝や米国市場での指標でスプレッド広がりが確認できます。注意すべき経済指標も別の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
多くのFXブローカーでは、スプレッドが狭い場合は手数料が高く、逆にスプレッドが広い場合は手数料が低いという逆相関の関係があります。
一例として、上の図はXMの口座タイプのスプレッドの比較です。スプレッドだけの比較では、「KIWAMI口座」よりも「ゼロ口座」のほうがスプレッド」が狭いです。
ただし、ゼロ口座は取引数量に応じて手数料がかかります。これを考慮するとゼロ口座はKIWAMI口座よりも取引コストが高くなります。
このように手数料を加味して取引コストを考える必要があります。スプレッドが狭いからという理由だけでブローカーや口座を選択しないようにしましょう。
海外ブローカー各社ごとに独自の手数料を設定しています。以下に主要な業者のスプレッドの狭さを売りにした口座の手数料を比較しました。
FXブローカー | 口座種類 | 手数料※1 |
---|---|---|
![]() | ナノ・テラ | 3ドル |
![]() | デラックス(プロスプレッド) | 2.5(4.5)ドル |
![]() | ロースプレッド | 最大3.5ドル |
![]() | ECN | 3ドル |
![]() | ゼロ | 3ドル |
![]() | ゼロ | 5ドル※2 |
※1 手数料は片道1ロットあたりの金額(発注・決済をした場合は往復となり片道の2倍)
※2 XMは取引量100,000ドルにつき5ドル
手数料がかかるのは各社とも、「スプレッドが狭いプロ向けの口座」です。どの業者がいいか分からない場合は、以下の記事で取引コストを比較していますので、優位性のあるFXブローカーを選定する際の参考にしてください。
「スワップ」とは、日をまたいでポジションを保有していた場合に「受け取る」、または「支払う」利息です。
スワップで利益を受け取れることもあるので、一概に取引コストとなるとは断定できませんが、多くの銘柄でスワップポイントは「マイナス」すなわち「コスト」となるので事前に1日当たりいくらかかるのか確認しておきましょう。
特に、長期でポジションを保有する場合は、「スワップ」が大きくのしかかってきます。そうならないように各FXブローカーのスワップポイントを確認する癖をつけて、取引コストをできるだけ安く抑える工夫が重要です。
スリッページとは「注文価格」と「約定価格」のずれのことを指します。売買したい注文した価格で取引が成立せず、注文価格とは違う価格で約定してしまうので場合によっては「コスト」となります。
流動性が低い時間帯やボラティリティの大きな時間は特にスリッページが発生しやすいので、注意が必要です。
短期トレードで取引回数が多いとスリッページが発生する可能性も高くなるので、できるだけ流動性(取引量)の多い業者やインターバンクに注文を直接流しているブローカーで取引するようにしましょう。
この記事では、スプレッドと手数料の違いやスプレッドから実際の取引コストを計算する方法、スプレッドと手数料以外に注意すべき取引コストについて丁寧に解説しました。
FX取引は、取引する業者によって「トレードの勝敗に関わらず」損益が大きく変わります。FXはブローカー選びがすべてといっても過言ではありません。
・長期手法トレーダー→「スワップ」を重視
・短期トレーダー→「スプレッド」、「手数料」を重視
・超短期トレーダー→「スリッページ」を重視
自分の取引手法にあったブローカーを慎重に選定して、トレードをすることをおすすめします。