FXのスプレッドと手数料の違いとは?各海外ブローカーの仕様を深掘り

FX スプレッド 手数料 違い

この記事では

FXではどんな取引コストがかかる?

FXのスプレッドと手数料の違いは何?

スプレッドと手数料以外にかかるコストはある?

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

この記事でわかること
  • FX取引にかかる「コスト」
  • スプレッドと手数料の違い
  • スプレッドから実際の取引コストを計算する方法
  • スプレッドと手数料以外に注意すべき取引コスト

を解説します。

ここに写真
著者:専業トレーダー ピグ
FX歴5年目 2020.4 FX開始(サラリーマン)→ 2023.3 専業トレーダー
ダイバージェンスを駆使したデイトレード手法で専業トレーダーに
【2020年 年利152%】 【2021年 年利185%】 【2022年 年利229%】 【2023年 年利462%】
FX取引の注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」を参照してください。

FX取引にかかる「コスト」

ポイント
  • 手数料
  • スプレッド
  • スワップ
  • スリッページ

FXの取引コストは手数料だけではない

FX取引コスト

FX取引には、手数料以外に「スプレッド」と「スワップ」のように事前に把握できるコストと「スリッページ」のように実際に取引してからでないと把握できないコストがあります。

手数料だけでなくトータルの取引コストを比較して業者選びを

FX取引コストはFXブローカーごとに異なります。

「手数料無料」と書いてある場合も、スワップを広くしたり、他で帳尻を合わせていることがほとんどです。(FX業者もビジネスなどで取引コストがゼロになることはまずないです。)

そのため、手数料とスプレッドとスワップを合わせた事前に把握できるトータルの取引コストを比較してFXブローカーと口座を選ぶことをおすすめします。

スプレッドとは

FX スプレッド

スプレッドはFX取引の中でもっとも重要な取引コストです。多くの海外FXブローカーは変動制を日本国内のFX業者は固定スプレッドを採用しています。

「Bid」と「Ask」の差

FX Ask Bid
ポイント
  • FX取引では「買える(Ask)」価格と「売れる(Bid)」価格は違う
  • AskとBidの差がスプレッドコストとしてかかる

FX取引では、FX業者が売りたい(Ask)価格と買いたい(Bid)価格が、トレーダーが買える(Ask)価格と売れる(Bid)価格になります。

そのため、両者には開きがあり、この差が「スプレッド」です。

スプレッドによる取引コストの計算方法

例えば、ドル円のトレードを考えてみます。

レートが「Ask 150.05円」、「Bid 150.00円」で「1ロット、ロング(買い)エントリー」した場合

購入金額は
150.05(Ask) × 1(Lot) × 100,000(通貨) = 15,005,000円分のドル(100,000ドル)を買ったことになります。

この購入したドルをドル円の価格が変わらないうちにすぐに売った場合、売れる価格は「Bid150.00円」です。

このため売却金額は 
150.00(Bid) × 1(Lot) × 100,000(通貨) = 15,000,000円戻ってきます。

この時「売却金額」から「購入金額」を引いた差額が売買損益になります。

今回の例では、15,000,000円 – 15,005,000円 = -5,000円のマイナスです。
これがスプレッドによる「取引コスト」です。

ドル円の価格は変動していませんが、スプレッドによる取引コストの影響で損益がマイナスになります。

実際の取引で、スプレッドコストを毎回計算していては面倒です。MT4で注文したいロット数に応じた、スプレッドによる取引コストを自動計算して表示できる取引ツールをプレゼント中です。

興味のある方は、以下の記事からダウンロードして使ってください。

早朝や「経済指標」前後はスプレッドの広がりに注意

日本時間の早朝や「経済指標」前後の時間帯はスプレッドが一時的に広がるため、取引コストが高くなるので注意しましょう。

ゴールド XM  口座 スプレッド

上の図は、一か月間ゴールドのスプレッドを計測した結果の平均値です。早朝や米国市場での指標でスプレッド広がりが確認できます。注意すべき経済指標も別の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。

手数料

ポイント
  • 取引数量に応じて一定額の手数料が発生
  • スプレッドが狭い口座ほど手数料がかかる可能性が高い

スプレッドの狭さを売りにしたブローカーや口座に注意

多くのFXブローカーでは、スプレッドが狭い場合は手数料が高く、逆にスプレッドが広い場合は手数料が低いという逆相関の関係があります。

ゴールド スプレッド XM 手数料考慮

一例として、上の図はXMの口座タイプのスプレッドの比較です。スプレッドだけの比較では、「KIWAMI口座」よりも「ゼロ口座」のほうがスプレッド」が狭いです。

ただし、ゼロ口座は取引数量に応じて手数料がかかります。これを考慮するとゼロ口座はKIWAMI口座よりも取引コストが高くなります。

このように手数料を加味して取引コストを考える必要があります。スプレッドが狭いからという理由だけでブローカーや口座を選択しないようにしましょう。

各海外FXブローカーの手数料

海外ブローカー各社ごとに独自の手数料を設定しています。以下に主要な業者のスプレッドの狭さを売りにした口座の手数料を比較しました。

FXブローカー口座種類手数料※1
axioryナノ・テラ3ドル
BIGBOSSデラックス(プロスプレッド)2.5(4.5)ドル
EXNESSロースプレッド最大3.5ドル
FXGTECN3ドル
HFMゼロ3ドル
XMゼロ5ドル※2
2024/6時点

※1 手数料は片道1ロットあたりの金額(発注・決済をした場合は往復となり片道の2倍)
※2 XMは取引量100,000ドルにつき5ドル

手数料がかかるのは各社とも、「スプレッドが狭いプロ向けの口座」です。どの業者がいいか分からない場合は、以下の記事で取引コストを比較していますので、優位性のあるFXブローカーを選定する際の参考にしてください。

スプレッドと手数料以外の取引コスト

ポイント
  • スワップ
  • スリッページ

スワップ

「スワップ」とは、日をまたいでポジションを保有していた場合に「受け取る」、または「支払う」利息です。

スワップで利益を受け取れることもあるので、一概に取引コストとなるとは断定できませんが、多くの銘柄でスワップポイントは「マイナス」すなわち「コスト」となるので事前に1日当たりいくらかかるのか確認しておきましょう。

特に、長期でポジションを保有する場合は、「スワップ」が大きくのしかかってきます。そうならないように各FXブローカーのスワップポイントを確認する癖をつけて、取引コストをできるだけ安く抑える工夫が重要です。

スリッページ

スリッページとは「注文価格」と「約定価格」のずれのことを指します。売買したい注文した価格で取引が成立せず、注文価格とは違う価格で約定してしまうので場合によっては「コスト」となります。

流動性が低い時間帯やボラティリティの大きな時間は特にスリッページが発生しやすいので、注意が必要です。

短期トレードで取引回数が多いとスリッページが発生する可能性も高くなるので、できるだけ流動性(取引量)の多い業者やインターバンクに注文を直接流しているブローカーで取引するようにしましょう。

まとめ

この記事では、スプレッドと手数料の違いスプレッドから実際の取引コストを計算する方法スプレッドと手数料以外に注意すべき取引コストについて丁寧に解説しました。

FX取引は、取引する業者によって「トレードの勝敗に関わらず」損益が大きく変わります。FXはブローカー選びがすべてといっても過言ではありません。

・長期手法トレーダー→「スワップ」を重視
・短期トレーダー→「スプレッド」、「手数料」を重視
・超短期トレーダー→「スリッページ」を重視

自分の取引手法にあったブローカーを慎重に選定して、トレードをすることをおすすめします。