自動売買にVPSは必要なし?PC稼働でEA(MT4)を実際に利用してみた

自動売買 VPS FX初心者

この記事では

VPSって必要なの?PCとどっちがいいの?

FXでVPSを利用したいけど、どうすればいいかわからない

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

・VPSなしでPCで自動売買を運用するメリット・デメリット
・VPSとPCの比較
・【結論】VPSにしたほうが楽だが、PCを監視できるならVPSは必要ない

を元エンジニアが解説します。

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著者:ゆう
FX裁量トレーダーからスタートし、現在はエンジニアの経験を活かしてEAトレードをメインに取引中。トレーダーの方々にEA、インジケータや取引ツールを作成して提供しています。
FX取引の注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」を参照してください。

VPSなしで自宅PCで自動売買を運用するメリット

自宅PCを活用して自動売買を行う場合、カスタマイズ性や手軽さにメリットがあります。

メリット
  • 持っているPCを活かせる
  • 短期間のお試し運用が手軽にできる

持っているPCを活かせる

自宅にすでにPCがある場合、そのPCを活用して自動売買を行えるのは大きなメリットです。新たにVPSの契約や専用機材を準備する必要がないため、初期費用を抑えられます。

デスクトップPCで高性能なCPUやメモリが搭載されていれば、複数のMT4(MetaTrader 4)を同時に起動し、複数のEAを稼働させることもできます。必要に応じてソフトウェアのインストールやカスタマイズが容易にできます。

ただしEA(自動売買)をするにはそれ相応の「PCスペック」と「安定した通信環境」が必要です。

短期間のお試し運用が手軽にできる

自宅PCを活用することで、VPS契約の手間や費用をかけずに、気軽に自動売買のテスト運用ができます。

VPSは月額費用が発生するため、短期間の利用には割高に感じる場合があります。自宅PCなら、すでに所有している環境をそのまま活用できるため、短期的な運用テストに最適です。

EAの動作確認や設定の調整など、細かい変更を試しやすく、トラブル発生時にもすぐに対応できます。例えば、新しく購入したEAの挙動確認や、設定変更の影響を検証したいときに、自宅PCなら手軽に確認できるのが利点です。

短期間の利用にとどめる場合には、VPSよりも自宅PCのほうがコストパフォーマンスに優れています。

VPSなしで自宅PCで自動売買を運用するデメリット・注意点

自宅PCを活用して自動売買を行う場合、コストや運用環境などデメリットや注意点があります。

デメリット
  • 初期コストがかかる
  • 常にPCを起動にしておく必要がある
  • 電気代がかかる
  • 停電や回線不良のリスクが高い

初期コストがかかる

自宅PCを自動売買に利用する場合でも、運用環境を整えるために「初期費用」がかかる場合があります。

PCを持っていない方は購入費用が最低でも10万円程度かかります。PCをすでに持っている場合でも、安定したEAの稼働のためはある程度の性能が求められ、CPUやメモリの増設が必要な場合があります。特にEAを複数運用する場合は、メモリに注意してください。

推奨のPCスペックは下記のとおりです。

Coming Soon…

さらに不測のトラブルに備えて、無停電電源装置(UPS)を導入して、停電時でも一定時間は稼働を維持できるようにしておきましょう。

常にPCを起動しておく必要がある

自動売買はいつでも取引できるように、24時間稼働が基本です。そのため、PCを常に起動しておく必要があります。

PCがスリープ状態に入るとEAの動作が停止するため、スリープ機能の無効化や電源設定の調整が必要です。長時間の稼働により、PCの内部パーツが劣化しやすくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

さらに、PCの再起動が必要な際には、EAの再起動や再設定が必要になる場合があります。PCが起動しているか常に気にしていないといけないので、トレーダーへの負担が大きいです。

電気代がかかる

さらに、自宅PCを常時稼働させるので、電気代がけっこう高額になります。

一般的なデスクトップPCは消費電力が約100W〜300Wのものが多く、これを24時間稼働させると月々の電気代が数千円程度上昇します。特にグラフィックボードが搭載された高性能PCでは、さらに消費電力が増加する傾向があります。

一般的なPCでの試算すると、PCのスペックにもよりますが、デスクトップPCは月に2千円程度はかかります。

項目ノートPCデスクトップPCゲーミングPC
スペックの目安Core i5
8GB RAM
SSD 256GB
Core i5
16GB RAM
SSD 512GB
Core i7 / RTX 3080
32GB RAM
SSD 1TB + HDD 2TB
消費電力約40W約100W約400W
1か月の電気代 (円)約923円約2,306円約9,226円
PCタイプ別 1か月の電気代比較(24時間×31日稼働)
電気料金:31円/kWhと仮定

電気代の負担を軽減するためには、ノートPCなどの低消費電力モデルを使用するのも一つの選択肢です。

停電や回線不良のリスクがある

自宅環境では、停電やインターネット回線の不具合により、EAの稼働が停止するリスクがあります。

例えば、ブレーカーが飛んだり、停電が発生した場合、PCがシャットダウンし、ポジションが決済できず損失につながる可能性があります。さらに回線の不安定さにより、サーバーとの通信が遅く、注文の遅延やエラーが生じるリスクがあります。

これらのリスクに備えるためには、無停電電源装置(UPS)の導入や、インターネット回線のバックアップ回線を準備するなどの対策が有効ですが、自宅でやることには限界があります。

実際に自宅PCで運用して見た感想

ここからは、実際に自宅PCで自動売買を運用してみた感想をお伝えしたいと思います。実際にやってみないと気づかなかったこともありました。

運用したのは、仕事用に使っていた「DELLのPC」です。

PCの詳細スペックは以下のとおりです。

項目内容
メーカ・モデル名DELL OptiPlex 390
プロセッサ第2世代 インテル® Core™ i3 プロセッサー (デュアルコア版)
オペレーティングシステムWindows 7 Professional SP1 64bit
チップセットインテル® H61 Express チップセット
ビデオカードMSI GeForce GT710 GDDR3 2GB グラフィックスボード (VD5931)
メモリ8GB (最大8GB対応)
ネットワーキングBroadcom BCM95722 PCIe ネットワークアダプタ (オンボード)
I/OポートUSB 2.0 × 8(前面×2、背面×6)、PS/2 × 1、RJ-45 × 1、VGA × 1、HDMI (オプション)
ドライブオプションDVD-ROM、DVD±RW、リムーバブルメディアアドレータ (MTおよびDTのみ)
ハードディスク3.5インチシリアルATAドライブ (7200 RPM SATA 3.0 Gb/秒)
シャーシタイプデスクトップ型 (DT)
寸法高さ: 10.2cm、幅: 39.6cm、奥行: 41.0cm
重量7.56kg
電源ユニット265W 標準PSU (90%効率, Active PFC対応)

運用期間は2023年の8~10月です。

運用したのは本サイトのコミュニティに登録している方へ紹介しているダイバージェンスを利用したEAです。

実際にPCで稼働すると色々と課題がありました。

自動売買専用のPCが必要

当初はEAを運用しているPCで日常的な作業をしていたため、MT4が落ちてしまったり、安定した自動売買運用ができませんでした

このためフリーズや万が一の故障に備え、運用から1ヶ月ほど経ってから日常作業用に新たなPCを買いました。もともとのPCをEA専用にすることで、その後は安定した運用ができました。

このように自宅PCで運用する場合は、EA(自動売買)専用のPCが必須です。できるだけ他の用途に使用しない環境を整えることで、トラブルを回避できると実感しました。

電気代が高い

自宅PCを24時間稼働させることで、予想以上に電気代が増加しました。

運用期間が夏季だったため、必ずしもPCを稼働しているだけの増加とは言い切れませんが、月々2,000~3,000円の電気代が増加しました。(8~10月はEAを稼働、7月は稼働していない通常の電気代)

電気代 (円)EA稼働
7月5603なし
8月8969あり
9月8391あり
10月7432あり

今回のPCはグラフィックボードを後付け搭載したPCであったため消費電力が増え、通常のPCに比べ電気代が高くなった可能性はあります。さらに夏場で気温が高い時期であったため、冷却ファンが常にフル稼働し、電気代が増えた原因になったと思われます。

これだけ電気代が増えるのであれば、VPSを契約したほうが安く済みます…のでみなさんはPCで運用する際はお気をつけください。

VPSの料金は安いところで、1000円程度で利用できます。

熱が結構発生する

前述の通り、PCを長時間稼働させることで、PC本体の発熱が目立ちました。

特にCPUや電源ユニット周辺の温度が上昇し、あったかい空気が出ていることがよくありました。熱がこもることで、PCのパフォーマンスが低下しやすく、最悪の場合はフリーズや強制終了の原因になる可能性があるので気をつけたほうが良さそうです。

冷却ファンの回転音が大きくなるため、静かな環境では騒音が気になる場面がありました。電気代も高くなってしまうので、運用する際は冷却機能の高いPCをおすすめします。

VPSと自宅PCどちらで運用したほうがいいか比較

では、実際自宅PCとVPSのどちらがいいのでしょうか。それぞれを比較してみました。

【VPSと自宅PCの比較表】

項目自宅PCVPS
初期費用高性能PC、冷却機器
必要に応じてUPSの購入が必要
基本的に不要
月額費用なしプランに応じて
月額数千円〜1万円程度発生
電気代消費電力によるが月2~3千円程度VPS側で負担するため不要
メンテナンスPCの掃除やパーツ交換が必要
PCが消耗しやすい
サーバー管理はVPS業者が対応
停電・通信トラブル無停電電源装置(UPS)
などの対策が必要
VPS業者の設備により、
安定した稼働が可能
短期運用無料で試せるためお得短期運用には割高になりやすい
長期運用電気代やパーツの劣化で
コストが増す可能性がある
月額料金のみのため
コストが予測しやすい
安定性長時間の稼働でPCの負荷や
熱が問題になる場合がある
24時間安定した稼働が可能

自宅PCとVPSのコスト比較

次に、自宅PCとVPSの月々の固定費を見てみましょう。

ここでは、とりあえず少数のEAを稼働したい方と、高負荷のEA(スキャルピングなど)を稼働したいヘビーユーザーの方、それぞれを比較しました。

項目1か月の電気代 (円)VPS料金 (円)
少数のEAを運用
(デスクトップPC)
約2,306円
※PCの初期費用かかる
ABLENET VPS 2GB
1,931円
高負荷のEAを運用
(ゲーミングPC)
約9,226円
※PCの初期費用かかる
シンクラウドデスクトップ 16GB
16,450円

とりあえず、EAを動かしたい人はVPSの方がコストが安くます。ただしスキャルピングなど高負荷EAを長期で運用する場合は、ゲーミングPCを買って運用すれば長期で見れば安く済むと考えられます。

VPSが必要ない人・必要な人

最後にVPSが必要ない人と必要な人の特徴をまとめます。

自宅PCが必要ない人

  • 短期間のテスト運用やEAの動作確認をしたい人
  • 自宅に高性能PCがあり、環境を整えられる人
  • PCの状態を頻繁に確認し、トラブル時にすぐ対応できる人

VPSが必要な人

  • 長期運用を予定している人
  • 外出が多く、自宅PCの管理が難しい人
  • 複数のEAを同時に稼働させたい人

まとめ

自宅PCを利用した自動売買の運用は、VPSを導入しないことで手軽に自動売買を始められるというメリットがあります。特に、短期間のテスト運用や、自宅に高性能PCがある場合には有効です。

しかし、電気代やPCの発熱、停電や通信トラブルのリスクがある点には注意が必要です。

また、安定した自動売買を行うためには、専用PCの準備や冷却対策、無停電電源装置(UPS)の導入などが求められる場合があります。

短期運用やコスト重視であれば自宅PCが適していますが、長期運用や安定性を重視するならVPSの利用が安心です。自分の投資スタイルや環境に応じて、どちらがあっているか選びましょう。

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