この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
- 移動平均線とマルチタイムフレームの基本
- MT4でマルチタイムフレームの移動平均を表示する方法
- MT4で複数の移動平均線を一度に表示できるオリジナルインジケータ
を紹介します。
コンテンツ 移動平均線は、テクニカル分析で最も使われているインジケーターです。 過去の一定期間の価格の平均値を計算し、それをチャートにプロットすることで、価格の動向を視覚的に把握できるインディケーターの一つです。 移動平均線は主に、「トレンドの方向性」を判断するために利用されたり、「サポートやレジスタンス」となり価格が反転しやすいポイントとしても使われています。 移動平均線はシンプルでわかりやすいため、初心者からプロフェッショナルまで、多くのトレーダーに利用されています。移動平均線を活用することで、エントリーやエグジットのタイミングが格段にうまくなります。 移動平均線にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。 一般的に使われるのは「単純移動平均線(SMA)」と「指数平滑移動平均線(EMA)」です。 単純移動平均線(SMA)は、指定された期間の価格の「平均を単純に計算」する方法で、価格の全てのデータポイントに対して等しい重みが与えられます。 指数平滑移動平均線(EMA)は、「直近の価格データにより大きな重みを与える」計算方法を取っており、価格の変動に対してより敏感に反応します。 このため、EMAはトレンドの変化を早期に捉えることができる一方で、SMAはノイズを排除し、より安定したトレンドの確認ができます。どちらが正しいとか、優れているということはなく、「正直SMA、EMAは好みの問題でどちらでもいい」です。 自分のトレードにあっているなと感じているほうを選択してください。迷った場合はSMAで大丈夫です。 単純移動平均は、指定した期間内の価格をすべて足して、その期間の数で割った値です。 $$SMA = \frac{指定期間内の価格の合計}{期間の日数}$$ 例えば、5本のSMAを計算する場合、その5つの価格(一般的には終値)を全部足して5で割ります。 SMA = (110 + 105 + 120 + 110 + 115) / 5 = 112円 と計算されます。 指数移動平均は、より最近の価格に重みを置いて計算します。最初にSMAを使って初期のEMAを計算し、その後は値を更新していきます。 初期値 $$EMA = SMA$$ 初期値以降 $$EMA = \left( \text{当日の価格} \times \text{重み} \right) + \left( \text{前日のEMA} \times (1 – \text{重み}) \right)$$ 重みの計算 $$\text{重み} = \frac{2}{\text{期間の日数} + 1}$$ 例えば、5本のEMAを計算する場合、重みは 2 / (5 + 1) = 0.33となります。 現在値から1本前までのSMA(初期のEMA)は = (115 + 110 + 105 + 120 + 110 ) / 5 = 112円 SMAとEMAの値を比較すると、EMAのほうが大きな値となっています。これは、1本前から現在値に向けて価格が110円から115円に上昇している直近の動きをより重視する計算となっているためであることが分かります。 移動平均線はMT4に標準で搭載されているインジケーターで表示できます。 MT4のチャート上の「挿入」タブ内の「インジケーター」→「トレンド」→「Moving Average」を選択することで移動平均線が表示できます。 マルチタイムフレーム分析(MTF)とは、複数の時間軸を利用して市場の動向を分析する手法です。異なる時間軸のチャートを比較することで、より包括的な視点からトレンドや相場の変動を理解することができます。 MTF分析には一般的に、3つの異なる時間軸が使用されます。 1つ目は「長期足」で、大きな値動きのトレンドを把握します。4時間足、日足や週足が一般的には長期足となります。次に、「中期足(30分足、1時間足など)」でトレンドの強さや反転ポイントを確認し、最後に「短期足(5分足や15分足)」で具体的なエントリーポイントを分析してトレードします。 一般的には移動平均線やRSIなどトレンドの大きさや方向性がわかりやすい指標を用いてMTF分析を行います。また長期の大きな波をダウ理論やフィボナッチで分析して押し目や戻り目を短期足で狙っていくことも考えられます。 MTF分析には、いくつかの重要なメリットがあります。異なる時間軸を組み合わせることで、市場の全体的なトレンドと短期的な動向の両方を把握できるため、多角的な分析が可能です。 特に長期トレンドに沿った取引を行うことで、逆張りのリスクを避け、トレンドの継続性を活用したトレードが可能です。 さらに、市場で優勢な大衆の心理を理解できます。短期足だけで判断するとノイズに惑わされやすいですが、長期足でのトレンド確認を加えることで、より多くの人が描いている値動きと同じ絵を描けます。 MTF分析では、異なる時間軸でのトレンドの方向性を確認することがトレードの成功に直結します。 移動平均線を使ってトレンドの方向性を判断する際には、まず長期的な時間軸で主要なトレンドを確認します。例えば、日足チャートで価格が移動平均線の上に位置している場合、それは上昇トレンドのサインとなります。次に、1時間足、5分足といった中期、短期の時間軸でも同様のトレンドが確認できるかどうかを見極めます。 長期・中期の時間軸で同じ方向のトレンドが見られる場合、トレードの方向性は一貫しており、エントリーの信頼性が高まります。短期足で押し目や戻り目を作ったところでトレンドに沿ったエントリーをすれば、勝率の高いトレードができます。 短期足でトレードしているときに、長期や中期の移動平均線がレジスタンスやサポートとして機能することがよくあります。 日足や4時間足などの移動平均線は多くのトレーダーが意識しており、特に価格が反転するポイントとして有効です。ただしファーストタッチは反転の可能性が高いですが、何度も反転するわけではないので注意しましょう。 ダウンロードは下記のリンクから >>マルチタイムの移動平均性が複数表示できるダウンロードはこちら マルチタイムフレームのインジケータはMT4に標準では搭載されていません。そのため本サイトではオリジナルのインジケータを配布しています。 オリジナルインジケータのMT4へのインストール方法は下記の記事で詳しく解説しています。 移動平均線は単独でも強力な分析ツールですが、他のインディケーターや分析手法と組み合わせることで、さらに効果的なトレードができます。 オシレーター系のインディケーターや、ボリンジャーバンドなどのバンド系インディケーターと組み合わせることで、価格の反転ポイントやトレンドの勢いをより正確に把握することができます。 または、移動平均線とRSI(相対力指数)を組み合わせることで、トレンドの方向性だけでなく、売られ過ぎや買われ過ぎの状態を確認し、エントリーポイントをより厳密に判断することができます。 この記事では、移動平均線とマルチタイムフレーム分析(MTF)を活用した取引方法について詳しく解説しました。 移動平均線は、価格のトレンドを視覚的に把握するための基本的なインディケーターであり、様々な種類や設定方法があります。特に、MTF分析と組み合わせることで、複数の時間軸から市場の動向を多角的に分析し、エントリーやエグジットのタイミングをより正確に判断できます。 さらに、移動平均線は他のインディケーターと組み合わせることで、トレードの精度を一層高めることができます。例えば、RSIやボリンジャーバンドと併用することで、トレンドの強さや反転ポイントを見極め、リスクを抑えた戦略を立てることが可能です。 本サイトで配布中のマルチタイム移動平均線インジケーターを導入することで、複数の時間軸を一つのチャート上で簡単に確認できますので、ぜひ使ってみてください。移動平均線とは
移動平均線の種類
移動平均線の計算方法
単純移動平均(SMA)
日数 終値 4本前 110円 3本前 105円 2本前 120円 1本前 110円 現在値 115円 指数平滑移動平均 (EMA)
日数 終値 5本前 115円 4本前 110円 3本前 105円 2本前 120円 1本前 110円 現在値 115円
EMA = 0.33(重み) ×115 + 112 × (1 – 0.33) = 113円移動平均線の設定方法
(表示しているチャートの時間足の移動平均線のみ表示可能)マルチタイムフレーム分析(MTF)とは
MTF分析の基本
MTF分析のメリット
移動平均線を使ったMTF分析の方法
トレンドの方向性を判断する方法
レジスタンスとサポートラインの確認
マルチタイム移動平均線インジケーターのダウンロード
標準ではMT4に搭載されていない
インジケーターの基本設定
移動平均線との組み合わせによる効果的な分析
まとめ