この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
- 自動売買(EA)の仕組みと種類
- 自動売買(EA)のメリット・デメリット
- 自動売買と裁量トレードの比較
この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
を解説します。
自動売買(EA:エキスパートアドバイザー)は、FX取引を自動で行ってくれるプログラムのことです。簡単に言うと、あらかじめ決めたルールに従って、「買ったり」「売ったり」するのを自動でやってくれるツールです。
例えば、「この価格になったら買う」「このタイミングで売る」といった設定をしておけば、その通りに取引をしてくれます。
EAがあると、自分でパソコンの前に張り付いて取引のタイミングを見計らう必要がなくなります。しかも、人間の感情に左右されずに機械的に取引するので、冷静な判断が求められる場面でも正確に動いてくれます。
下記は、自動売買(EA)の概略です。
ここからは、各ステップについて詳しく解説します。
自動売買(EA)は「MT4」などの専用ツールでのみ使用可能なツールです。取引ルールが決まったら、「MQL4」と呼ばれるMT4で使えるEAを作成するプログラムで、EAを作成します。
自分でプログラムの作成が難しい場合は、ネット上に公開されているEAをダウンロードして使うこともできます。
MT4は、FX取引プラットフォームの中で最も多くの人に利用されています。2005年から利用されており、信頼性や安全性が高く今もなお利用者が増え続けています。
MT4は利用者数も多いため、多くのEAが提供されています。本サイトでも無料でダウンロードできるEAがありますので、興味があればダウンロードして下さい。
自動売買は、MT4以外にも「FX業者が独自に提供しているもの」や、「MT5」など他のプラットフォームでも利用できます。ですが、MT4は「利用者数」や提供されている「EAの種類」が圧倒的に多いため、ネット上に情報が多くあり、困った時にすぐ解決策が見つかるので安心です。
自動売買(EA)は事前に売買してほしい条件をプログラムしておくことで、取引を実行してくれます。
例えば「時間を指定して取引したい」場合には、売買する時間を設定します。「9時になったら買って」、「20時に決済」など条件を指定することで、EAが時間になったら自動で売買してくれます。
上記のような単純に「特定の時間になったら売買」してくれる自動売買はアノマリーEAと呼ばれています。有名なものにドル円の価格が上がりやすい日に買う「ゴトー日」のロジックがあります。
ゴトー日については下記の記事で具体的に解説していますので、参考にしてください。
自動売買(EA)はMT4にインストールして設定することで開始できます。
インストール方法はとても簡単で、すぐできます。
»【EA初心者向け】MT4のEA(自動売買)設定方法を画像で解説
利用したいEAが見つかった場合は設定してください。
自動売買(EA)と裁量トレードの主な違いは、下記の通りです。
項目 | 裁量トレード | 自動売買 |
---|---|---|
取引判断 | トレーダーの経験や感覚 | プログラムされたルールに基づいて機械的 |
高度な分析 | その場の状況に応じて柔軟に戦略を変更 | 市場環境の変化に応じた調整が困難 |
複数通貨ペア | 同時に監視できる通貨ペアには限界 | 多数の通貨ペアを同時に監視・取引可能 |
取引時間 | トレーダーの稼働できる時間に依存 | 24時間365日稼働可能 |
取引速度 | 人間の反応速度によるため高速ではない | ミリ秒単位での高速取引が可能 |
感情 | 恐怖や欲などの感情が判断に影響する可能性 | 感情に左右されず、一貫した取引が可能 |
自動売買(EA)と裁量トレードの最大の違いは「一貫性」です。
裁量トレードは、トレーダー自身が市場を見て判断し、「手動」で売買を行う方法です。市場の状況を見ながら、その時々の判断で取引を進めるので、自分の経験や直感、感情が大きく影響します。そのため一貫したトレードは上級者でも難しいです。
一方、EAはあらかじめ設定したルールに従って「自動」で取引を行います。
例えば、「この価格になったら買う」「このインジケーターがこうなったら売る」といった具体的な条件を設定すると、その条件が満たされた時にEAが自動で取引を行います。
これにより、感情に左右されることなく一貫したトレードができます。
自動売買にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴と戦略を持っています。トレーダーの取引スタイルや目的に応じて、適切な自動売買ツールを選ぶことが成功の鍵となります。
テクニカルEAは、ぞの名の通り「テクニカル分析」に基づいて取引を行う自動売買プログラムです。
インジケーター(移動平均線やRSIなど)やチャートパターン(ピンバーやリバーサルなど)を活用し、市場の動きを分析して取引のタイミングを判断します。テクニカルEAには、取引の期間や頻度によって下記の通りさらに細かく分類されます。
スキャル系のテクニカルEAは、「超短期間」で取引を繰り返し行うEAです。
数秒から数分の間にポジションを取ってはすぐに決済するという、高頻度の取引を繰り返します。このタイプのEAは、「スプレッド」の影響を受けやすいため、スプレッドの小さい通貨ペアや低コストの取引環境での運用が必須です。また、素早く利益を確定する戦略をとるため、損切りが大きくならないようリスク管理が非常に重要です。
短期系のテクニカルEAは、「数分から数時間」のスパンでポジションを持つEAです。
その中でも、トレンドフォローやブレイクアウト、逆張り手法など多くのロジックが存在します。短期系のEAは、スキャル系に比べて取引頻度は低いものの、マーケットのトレンドをしっかりと捉えることで安定した利益が狙えます。このタイプのEAは、市場の流れに敏感に反応するインジケーターを活用することが多いです。
長期系のテクニカルEAは、数日から数ヶ月、さらにはそれ以上の期間にわたってポジションを保持します。
長期的なトレンドに基づいてポジションを構築し、相場の大きな流れを捉えて利益を狙います。このタイプのEAは、経済指標などの急激な市場変動に影響されにくいため、安定した運用できます。ただし、スワップがマイナスの通貨では常にコストが発生するので注意が必要です。
アノマリーEAは、市場の過去な傾向や特定の期間に見られるパターンを利用して取引を行う自動売買プログラムです。
例えば、特定の月や曜日に価格が上昇する傾向がある場合、そのパターンを利用して買いの取引を行います。アノマリーEAは、過去のデータを基にした戦略を採用するため、一定の安定性がありますが、アノマリーが通用しなくなるリスクも伴うため、定期的なパフォーマンスの検証が不可欠です。
ナンピンEAは、ポジションを徐々に追加することで含み損分を含み益で解消して利益を上げる自動売買です。
買いのポジションを保有中に価格が下がった場合に「さらに買い増し」を行い、平均取得価格を下げることで上昇に反転した際になるべく早く利益を確定できるようにする戦略です。
ナンピンEAは相場が一定の範囲内で反転することを前提としており、「一方的な大きなトレンドが発生する」とポジションが多くなり大きなリスクを伴います。このためナンピンEAを使用する際は、ロスカットになるリスクを許容して、適切な資金で運用することをおすすめします。
ナンピンEAについては下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひ読んでください。
半裁量EAは、自動売買と裁量取引を組み合わせたプログラムです。
半裁量EAはトレーダーが注文したポジションに応じて「追加注文(ナンピン、ピラミッティングなど)」や「ポジション決済」を自動で行うEAが多いです。
トレーダーがポジションの保有後にずっとチャートに張り付いて値動きをみる必要もなく、状況に応じて自動で決済までできるので、エントリーは自分でしたいけど、決済はお任せしたい人に、非常に有効なEAですy。
本サイトでも半裁量EAとして「Smart Order」ツールを配布中です。気になる方は下記の記事から詳細を確認ください。
自動売買(EA)を導入する最大のメリットは、「トレードに一貫性を持たせられる」点です。
裁量トレードでは、「メンタル」や「損益金額」が判断に影響を与え、恐怖や欲望によって冷静な判断を欠くことがあります。
しかし、自動売買(EA)は事前に設定されたルールに従って取引が行われるため、感情に左右されず、常に同じ戦略でトレードを続けることができます。
これにより、投資のパフォーマンスが安定し、予期せぬ損失を防ぐ可能性が高まります。結果として、長期的に見れば成果を上げやすくなります。
FX自動売買(EA)のメリットの一つは、専門知識がなくても初心者でも比較的簡単に始められることです。
FX取引は専門知識のいる高度な世界です。初心者がいきなりうまくいく世界ではありません。これだけは断言できます。取引手法の確立、相場分析、資金管理、メンタルコントロールと経験がない人にはやることが多すぎます。
EAを使えば、それらすべてを自分だけで行う必要がなくなります。もちろん全くやらなくていいかと言われればそうではありませんが、少なくともすべてを自分でやる必要がないです。
さらに、EAを利用しながら、徐々にFX取引の仕組みや市場の動きを学ぶことができます。実践的な学習方法として効果的です。
自動売買(EA)を活用することで、トレードチャンスを逃すことがありません。
24時間取引ができるFX市場では、チャンスがいつ来るかはわかりません。常にモニタリングを行うことは人間には難しいですが、自動売買ならば設定したルールに従い、チャンスが訪れた瞬間にいつでも取引できます。
これにより、トレーダーが見落としてしまう可能性のある仕事中や寝ている時間にも、利益を得られます。
自動売買(EA)は、トレーダーの時間を大幅に節約できます。
通常のトレードでは、市場の動向を常にチェックし、取引のタイミングを見計らうために多くの時間を費やす必要があります。しかし、自動売買を導入することで、設定さえ完了すれば、システムが自動的に取引を行うため、日々のトレードにかかる時間を大幅に削減できます。
その結果、この時間を分析や戦略の見直し、もしくは仕事や睡眠に充てることができるため、より効率的な生活を送れます。
自動売買(EA)を利用することで、ポートフォリオが構築できます。
「ポートフォリオ」とは本来、株や債券・現金などの資産をどのような配分で保有するかということを指す言葉ですが、ここでは自動売買(EA)を複数稼働することを意味しています。
自動売買でポートフォリオを構築することで、いくつかのEAの調子が悪く利益が出ていないときでも、他のEAでそれを補填できます。
裁量トレードで異なる手法や通貨ペアを同時に使いながらトレードするのは経験が必要で難しいです。
そこで異なる戦略や通貨ペアを使った複数の自動売買システムを組み合わせることで、リスク分散を図りながら、安定した収益を目指すことができます。また、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを監視し、必要に応じて調整できます。
自動売買の最大の誤解のひとつは、永続的に利益を上げ続ける「聖杯」となる自動売買(EA)が存在するという考えです。
しかし、現実にはどのEAも市場の状況や変動に完全に対応し続けることは不可能です。
市場は常に変化し、新たな経済指標やニュースが瞬時に影響を与えるため、EAが過去のデータに基づいて構築されたものであれば、未来の市場環境に適応できない可能性があります。
したがって、EAの運用には常に見直しと調整が必要であり、「勝ち続ける」保証はどこにもありません。
このことを理解した上で、EAを運用することが重要です。そのためには複数のEAを稼働してポートフォリオを構築して複数のEAで補填しておくことをおすすめします。
FX自動売買(EA)は、急激な相場変動に対して臨機応変に対応することが難しいです。
EAは事前にプログラムされたアルゴリズムに基づいて取引を行うため、予期せぬ市場の動きに対して即座に適応できません。
例えば、重要な経済指標の発表や地政学的なイベント(戦争、自然災害など)、為替介入など予期できないものです。
このような急激な変化が起こった場合、EAは従来のパターンに基づいて取引を続けてしまい、大きな損失につながる可能性があります。
裁量トレードであれば、取引を一時停止したり、戦略を変更したりすることができますが、EAにはそのような柔軟性がありません。
売買ロジックはEA開発者や販売者の商材となるため公開されていない場合が多くいです。大半のEAはブラックボックス化されており、そのアルゴリズムやロジックがユーザーに明かされません。
そのため、ユーザーはEAの判断や取引の根拠を理解することが難しいです。売買ロジックを理解できない場合、EAが想定外の動きをした際に適切な対応が取れず、大きな損失を被る可能性があります。
対応策として、EAの過去の実績だけでなく、売買ロジックが理解できる「透明性の高いEA」をおすすめします。
以上のように、EAを利用する際にはメリットだけでなく、リスクや注意点を十分に理解しておくことが重要です。
自動売買(EA)で成功するためには、リスクを限定的にして分散することが重要です。このポイントをしっかりと理解し、実践することで、安定した収益を得られる確率が上がります。
最初に取り組むべきは「リスク管理」です。まずは、小額からスタートして、リスクを限定しましょう。
どんなに優れたEAでも、リスク管理を怠ると大きな損失を招く可能性があります。
証拠金にあった適切なロットを設定し、損切りラインを確実に設けることで、予期せぬ市場の変動から資産を守ることができます。
複数の通貨ペアや戦略を組み合わせたポートフォリオを構築してリスクを分散させることも有効です。
さらに、市場は常に変化しているため、EAの設定や戦略も定期的に見直す必要があります。
フォワード実績がバックテストの想定通りになっているかを常に監視し、定期的な見直しを行うことで、長期的に安定した収益を上げられます。
これらのポイントを実践し、自動売買(EA)を効果的に運用することで、長期的な成功を目指すことが可能です。
EAは裁量トレードに比べてトレーダーの時間を節約でき、感情を排除できるため安定したトレードができます。さらに複数のEAを組み合わせることで市場の変化によらず収益を上げ続けられます。
一方で、世の中にはEAがいっぱい存在しており、過去の成績だけをよく見せるために作られたものも存在します。そのため、本記事で紹介したEAの選び方を理解していただき、優秀なEAだけを見分けられるようになりましょう。
まず、最初は無料のEAで十分です。自分にEAに対する知見や経験が蓄積してから有料のEAに手を出すようにしましょう。