あなたのRSIの使い方は大丈夫?正しい見方とおすすめのFX手法を紹介!

RSI 手法 使い方

この記事では

RSIの使い方は「70以上で売り」「30以下で買い」で正しい?

RSIの数値はいくつの設定すればいい?

RSIを使ったおすすめのFX手法を知りたい

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

この記事でわかること
  • RSIの基礎と正しい使い方・間違った認識
  • RSIの数値設定
  • RSIのマルチタイムフレーム手法

を解説します。

インジケータ EA

RSIとは

ポイント
  • オシレーター系のインジケータ
  • 一方的への値動きの過熱感を示す
  • 値動きの大きさのみではなく、価格の変動速度がわかる

RSI(相対力指数)は、FXトレードにおけるテクニカル分析の一つとして広く利用されています。オシレーター系のインジケータであり、値動きの過熱感を計れます。

RSIは価格の過熱感を「値動きの大きさ」だけでなく、「値動きのスピード」を考慮して計算されているため、トレーダーの大衆心理がはっきりと表れます。

FX RSI 手法

RSIの最大の特徴は、そのシンプルさと応用の幅広さです。他のテクニカル指標と併用することで、精度を高めることも可能です。例えば、ダイバージェンスのやトレンドラインとの併用により相場の強弱を見極められます。

このようにFXの値動きを分析できるRSIですが、「トレードにおける判断」に用いるには、基本的な計算式や設定の理解が不可欠です。さらに、期間設定の違いがどのような影響を及ぼすかを知ることで、自分のトレードスタイルに最適なRSI設定を見つけることができます。

RSIの基本的な計算式と設定について詳しく見ていきましょう。

RSIの計算式

RSIは、特定の期間における価格の上昇と下降の平均値をもとに計算されます。

$$RSI = 100 \ – \ \left( \frac{100}{1 + RS} \right)$$

ここで、RSは「平均上昇値」を「平均下降値」で割った値を指します。

$$RS = \frac{\text{n期間の平均上昇幅}}{\text{n期間の平均下降幅}}$$

式を変形して、次の式でも計算できます。

$$RSI = \frac{\text{n期間の平均上昇幅}}{\text{n期間の平均上昇幅}+\text{n期間の平均下降幅}}×100$$

この式から分かるように、RSIとは「上昇と下落幅」に対する「上昇」の割合を示していることが分かります。

RSIの計算例

例えば、5日間のRSIを計算する場合、過去5日間の上昇日と下降日の価格変動を平均化します。

日数始値終値変動幅
1日目100円110円+10円
2日目110円105円-5円
3日目105円120円+15円
4日目120円110円-10円
5日目110円115円+5円

上昇の平均値は (10+15+5) / 5 = 6
下落の平均値は (-5-10) / = 3 となるため、RS = 6 / 3 = 2

したがってRSI = 100 – 100 / (2+1) = 100 – 33.3 = 66.7 と計算できます。

RSIの設定期間

ポイント
  • 14日(本)とするのが基本
  • トレードスタイルに合わせて、変更することは可能

RSIの計算期間nの設定は、14期間が一般的です。14日にする理由は様々ありますが、「トレーダーのみんなが14日にしているから」というのが一番の理由です。

オシレーター系のインジケータに限らず、テクニカル分析は、その結果として導かれた価格をトレーダーが意識して取引するから「値動き」に影響します。誰も見ていないインジケータや指標を自分だけが見ていても意味がありません(これは水平線などすべてのテクニカル分析に共通します)。

ただし、RSIの期間はトレーダーは自分のトレードスタイルに合わせて期間を調整することは可能です。短期トレードでは、期間を短く(例:7日や9日)、長期トレードでは期間を長く(例:21日や30日)設定することはあります。設定期間を変更することで、RSIの感度を調整し、他のトレーダーとは違った視点でRSIを活用できますが、おすすめはしません。

FXでのRSIの活用方法

ポイント
  • RSIが70を超えると買われ過ぎ、30を下回ると売られ過ぎ
  • 買われすぎ、売られすぎは分かるが相場が反転するとは限らない
  • 決済ポイントにRSIを使うのがおすすめ

RSIは、FXトレードにおいて様々な方法で活用されます。一般的な活用方法の一つは、買われ過ぎや売られ過ぎの状態を判断することです。

多くのトレーダーは、RSIが「70を超えると買われ過ぎ」、「30を下回ると売られ過ぎ」と判断し、これをトレードのシグナルとして利用します。

ただし、安易に70以上で売り、30以下で買いのエントリーをするという認識は間違いです。

RSIの注意点とダマシ

RSIは強力なツールですが、利用する際には注意が必要です。

特に、「ダマシ」に注意する必要があります。ダマシとは、RSIが買われ過ぎや売られ過ぎのシグナルを示しても、その後さらにトレンドが伸びることを指します。

トレンド相場ではボリンジャーバンドのバンドウォークのようにRSIの過熱感や冷却感が続くことがあるため、シグナルが正確に機能しないので注意が必要です。トレンドフォロー型の戦略を採用する際には、RSIが一定の範囲内で推移しているレンジ相場とは異なるアプローチが必要です。

ダマシを避けるためには、RSI単独ではなく、他のテクニカル指標や複数の時間軸を見るなど他の分析と併用することが重要です。例えば、移動平均線やボリンジャーバンド、サポート・レジスタンスラインなどと組み合わせて使用することで、シグナルの信頼性を高めることができます。また、複数の時間軸でRSIを確認し、相場の大きな流れを把握することも有効です。

RSIの間違い

間違った認識
  • 70を超えたり、30を下回ると相場が反転する
  • 買われすぎ、売られすぎだけを根拠に逆張り

RSIはあくまでも、相場の過熱感をはかるものです。トレンドの勢いが強いから、RSIが70を超えたり、30を下回ります。この強いトレンドに安易な逆張りを考えるのは、「危険」です。

エントリーにRSIを使う場合は、ダイバージェンスやマルチタイムフレームや水平線など他のテクニカルと組み合わせて利用しましょう。

RSIを決済に利用するのはおすすめ

過熱感があると、一時的に値動きが止まる(もみあいになる)ことは多いので、持っているポジションを決済するのにRSIを使うのは、おすすめです。

例えば、買いポジションを持っている場合に、RSIが70に到達したら決済する。逆に売りポジションを持っているときに、RSIが30を下回ったら決済します。

RSI 決済

では次に、RSIのダイバージェンスを使ったエントリーについて詳しく解説します。

ダイバージェンスとは

ダイバージェンスは、FXトレードにおける重要な概念であり、「価格とテクニカル指標の間の乖離」を示します。

価格が高値を更新している一方で、テクニカル指標が高値を超えられず逆方向に動いている場合、現在のトレンドが弱まり、反転する可能性があると判断できます。逆に価格が安値を更新して、テクニカル指標が更新できない場合もダイバージェンスです。

ダイバージェンスの理解と活用は、値動きの強弱を判断するのに欠かせない要素です。次に、ダイバージェンスの定義と種類について詳しく見ていきましょう。

ダイバージェンスの種類

ポイント
  • ダイバージェンスには「2種類」ある
  • 通常の「ダイバージェンス」と「ヒドゥンダイバージェンス」

ダイバージェンスには2種類あります。レギュラーダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスです。

「レギュラーダイバージェンス」は、価格が新高値や新安値を更新しているのに対し、テクニカル指標がそれに追随しない場合に発生します。

例えば、価格が上昇して新高値をつけたが、RSIがそれに追随せず前の高値を超えない場合、上昇トレンドの終了を示唆します。この場合は、「売りシグナル」となります。

ダイバージェンス ヒドゥンダイバージェンス

一方、「ヒドゥンダイバージェンス」は、価格が前の安値や高値を更新しないのに対し、テクニカル指標が新たな安値や高値をつける場合に発生します。これは、現在のトレンドが継続する可能性を示唆します。

例えば、価格が前の高値を更新できないで上昇しているが、RSIが新たな高値を更新した場合、下降トレンドが続く可能性が高いと判断されます。この場合、「売りシグナル」となります。

これらのダイバージェンスの種類を理解することで、トレーダーは相場の変動を予測し、適切なトレード戦略を構築することができます。次に、ダイバージェンスが示す相場の動きについて詳しく見ていきましょう。

RSIとダイバージェンス

RSIは、価格の上昇と下降の割合を数値化し、相場の過熱感や冷却感を示すため、ダイバージェンスのサインを見つけやすいです。

ダイバージェンスが見つけやすいことは、相場の転換点やトレンドの強さを初期の段階から把握でき、リスクリワード良いトレードにつなげられます。

おすすめのRSIダイバージェンス手法

★エントリー

①買い RSI 50以下でダイバージェンス発生
ーRSIの値が、1つ目の安値は30以下、2つ目は30~50の間になっていることが条件

②売り RSI 50以上でダイバージェンス発生
ーRSIの値が、1つ目の高値は70以上、2つ目は50~70の間になっていることが条件

★イグジット

RSIが70以上になった場合、買いポジション決済
RSIが30以下になった場合、売りポジション決済

具体例「買いシグナル」

一例ですが、ドル円の5分足でRSIダイバージェンス手法で取引した場合の図です。

5分足だとダイバージェンス発生に1時間~2時間かかることが多いです。横軸も意識して取引してください。

ダイバージェンス 買いエントリー

具体例「売りシグナル」

売りの場合は買いの逆です。

ダイバージェンス 売りエントリー

RSIとマルチタイムフレーム

RSIだけの分析では、エントリーポイントを見つけることを難しいことを説明しましたが、「短期取引」では複数の時間軸(マルチタイムフレーム)でRSIが買われすぎや売られすぎの水準に達した後の調整を狙ったエントリーはおすすめです。

マルチタイムフレームとは

ポイント
  • マルチタイムフレームは複数の時間足を分析する方法

マルチタイムフレームで分析することによって、トレードしている時間軸が異なるトレーダーが意識している価格や水準を考慮できます。

例えば、5分足と1時間足、4時間足のRSIがすべて売られすぎの水準にあれば、5分足でトレードしている人、1時間足でトレードする人、4時間足でトレードする人、みんなが「反発に警戒」して持っているポジションを決済したり新規注文をするため、短期的には一旦上がる可能性が上がります。

RSIとマルチタイムフレームを使ったおすすめ手法

★エントリー

①買い
RSI
5分足 25以下
15分足 30以下
1時間足 35以下
4時間足 35以下
の条件が揃った後30分以内に、5分足のRSIが「30」を下から上に抜けたとき

②売り
RSI
5分足 75以上
15分足 70以下
1時間足 65以下
4時間足 65以下
の条件が揃った後30分以内に、5分足のRSIが「70」を上から下に抜けたとき

★イグジット

RSIが70以上になった場合、買いポジション決済
RSIが30以下になった場合、売りポジション決済

注意点

ここで紹介した手法は、マルチタイムフレームで強いトレンドが出ている状態での一時的な反発を狙う手法です。長期足に対する逆張りのロジックになるので、損切を素早く行うことがなによりも重要です。

ロジックのバックテスト

マルチタイムフレームを使ったRSI手法のバックテストは勝率約64%となりました。

RSI マルチタイムフレーム MTF

ただし、ロジックのRSIの条件に合致する回数があまり多くないため、短期取引ではありますが、取引回数は少ないのが難点です。

取引条件を少し変えれば、勝率は下がりますが、取引回数を増やすことは可能です。

バックテストをした際に作成したEAはこちらからダウンロードできます。

Comming Soon….

まとめ

RSIは、FX取引における重要なテクニカル分析ツールです。

正しく活用することで、トレンドの強弱を分析し、勝てるトレードができます。

ただし、RSIを単独で用いた新規のエントリータイミングを判断する指標として用いることは避けるべきで、決済の判断に使うのがおすすめです。

エントリーに使う場合は、他の分析ツールとの組み合わせて使用することで確度の高いタイミングを見つけることもできます。