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MFIを説明する前に、確認しておきたいことがあります。
何かいうと、FXにおける出来高について理解できているかどうかです。
もしまだ理解できていない人がいましたら以前の投稿でFXの出来高について解説していますので是非そちらを読んでいただいてから本記事を読み進めてください。手法の理解が深まります。
MFIインジケータとは
POINT
MFIインジケータの定義
Money Flow Index(MFI)は、価格と取引量の両方を考慮して市場の買われ過ぎや売られ過ぎを評価するテクニカル分析ツールです。これは、価格変動だけではなく、その価格変動に関与する出来高も加味することで、市場の強さや弱さをより正確に把握することができます。
MFIインジケータがFX取引において有益な理由
FX市場の流動性と変動性が非常に高いため、価格変動だけでなく、その背後にある出来高の動きを理解することが重要だからです。MFIは出来高(取引量)を考慮することで、単なる価格変動以上の市場の深層を読み解く手がかりを提供します。
出来高が伴う価格の動きは、より信頼性が高く、強いトレンドや反転の可能性を示唆していることが多いため、MFIはトレーダーにとって価値ある有益な情報源となります。
なぜMFIなのか:他のボリューム(出来高)インジケータとの比較
MFIは他のボリュームインジケータ、例えばOn Balance Volume(OBV)、Accumulation/Distribution Line(A/Dライン)などと比較しても、独自の利点を持ちます。
MFIは出来高を直接測定し、これを価格データと組み合わせることで、市場の過熱状態を示す過買いや過売りの領域を特定します。
比較
MFI:出来高と価格データと組み合わせることで、市場の過熱状態を示す過買いや過売りの領域を特定します。
OBVやA/Dライン:出来高の累積的な変化を追跡することで市場の方向性を評価します。
MFIが独特なのは、それが取引量と価格変動の両方を同時に分析し、それに基づいて相場の強さを評価する点にあります。これにより、MFIは特に価格反転の前兆を捉えるのに有効なツールとなり得ます。
一方で、OBVやA/Dラインはトレンドの強さや持続性に関する洞察を提供しますが、MFIほど直接的に過買いや過売りの状態を示すわけではないのです。
ただしこれはトレーダーの好みにもよりますのでMFI以外のインジケータを否定しているわけではありません。
次にMFIの計算方法について解説しますが、手法について先に知りたい方はこちらから手法解説にいけます。
MFIインジケータの計算方法
Money Flow Index(MFI)は、価格と取引量を組み合わせて市場の買われ過ぎや売られ過ぎを判断する指標です。計算には複数のステップがあり、以下の手順で進められます:
計算式
- Typical Price(TP)の計算:TP =(高値+安値+終値)/3
その日の高値、低値、終値の平均値で求められます。
- Money Flow(MF)の計算:MF = TP × 出来高(Volume)
- 正のマネーフロー(PMF:Positive Money Flow):1本前の足と比較してTPが上昇したときのMF値
負のマネーフロー(NMF:Negative Money Flow):1本前の足と比較してTPが下落したときのMF値
計算する対象のろうそく足とその1本前の足を比較してTPが上昇したらPMFがMF値となりNMFは0、逆にTPが下がったら場合PMFは0、NMFはMF値となります。
- Money Flow Ratio(MFR)の計算:MFR = ΣPMF/NMF
特定の期間(例えば14日)内の全ての正のマネーフローの合計を、同期間内の全ての負のマネーフローの合計で割り、マネーフローレシオを求めます。
- MFIの計算:MFI = PMF / (PMF + NMF) ×100 ( = 100 – (100 / (1 + MFR)) )
上記の通り出来高と値動きの両方が加味された指標です。
計算値の意味するところはRSIとよく似ていて、100に近づくほど買いの勢いが強く、逆に0に近づくと売りの圧力が強いことがわかるものです。
では次にMFIを生かしたトレード手法を紹介します。
MFIインジケータとダイバージェンスを活かした取引手法
MFIの解説の中で価格反転の前兆を捉えるのに有効なツールであることをお伝えしました。
ここではその特徴と相性の良いダイバージェンスと組み合わせた手法を紹介します。
ダイバージェンスって何?ってかたはこちらの記事で紹介しています。
まずは本手法の取引手順を紹介します。
STEP
- チャートのトレンドとMFIの比較:まず、価格が新高値または新安値を更新しているかを確認し、同時にMFIがこれに追随しているかどうかを観察します。MFIが新高値または新安値を更新していない場合、ダイバージェンスが存在する可能性があります。
- トレンドの強さの評価:MFIが示す値を見て、市場が過買い(MFIが80以上)または過売り(MFIが20以下)の状態にあるかどうかを評価します。これらのレベル周辺でダイバージェンスが発生すると、トレンド反転の可能性が高まります。
簡単な例を下記の図を用いて解説します。
上記の図はGOLDの5分足チャートです。(2024/2/27-2024/2/28)
ロウソク足チャートで価格の推移が確認でき、サブチャートでピンク色の折線がMFI(14本の平均)になります。なおロウソク足チャートに表示しているのはハイローバンドです。
使用しているインジケータはこちらからダウンロードできます。
まず図中の①について解説します。
価格については赤丸の高値を更新しており価格だけを見れば上昇していくチャートに見えます。
しかしながらMFIを見ると高値を更新することができていません。
すなわち上昇トレンドの勢いは弱いことを示唆しています。
そして価格はその後上昇することなく下落します。
次に②の場合を見てみたいと思います。
①とは逆に価格については赤丸の安値を更新しており価格だけを見れば下落していくチャートに見えます。
しかしながらMFIを見ると低値を更新することができていません。
すなわち下落トレンドの勢いは弱いことを示唆しています。
出来上がった後のチャートで解説しているためこの手法だけで実際のトレードで高値や安値ドンピシャでトレードすることは不可能に近いのですが、これを知っておくだけでも十分有効な手法になります。
時間足を短くすればするほどその信頼性は落ちる傾向にあります。
まとめ
MFIインジケータとダイバージェンスの重要性の再確認
この記事を通じて、MFIインジケータとダイバージェンスがFX取引においていかに重要なツールであるかを理解していただけたと思います。MFIインジケータは、価格変動と取引量の情報を統合することで、市場の過買いや過売りの状態を示す信頼性の高い指標です。一方、ダイバージェンスはこれらの過熱状態が持続可能かどうか、そしてトレンドの転換点が近づいている可能性があるかを示す重要なサインとなります。
効果的な取引戦略の構築に向けたアドバイス
手法構築も大事ですが、その手法にあった相場があれば合わない相場、相性の良い通貨ペアやそうでないものもあります。ですので、手法を鵜呑みにするのではなく精度を上げる方法を検証したり、資金管理やメンタル面を見直していくことも
POINT
- 複合的な分析の重要性:MFIインジケータやダイバージェンスのサインを、他のテクニカル分析ツールやファンダメンタルズ分析と組み合わせて使用し、より確実なトレード判断を下すことができ、精度を向上することが可能です。例えばフィボナッチなど組み合わせる。
- リスク管理の徹底:これはどの手法においても共通ですが、ストップロスの設定やポジションサイズの調整を通じて、リスクを管理すること。これにより、不利な市場の動きから資本を守ることができます。
- 市場の変動性への適応:市場は常に変化しています。そのため、戦略を定期的に見直し、市場環境の変化に適応する柔軟性を持つことが重要です。
本記事で紹介しているMT4インジケータのダウンロードはこちら
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