FXの「キリ番」活用方法とおすすめのトレード手法を紹介!自動描写インジケータも

FX キリ番

この記事では

・FXの「キリ番」とは何なのか、そしてなぜ注目されるのか知りたい

・キリ番を活用したトレード手法を知りたい

・キリ番を活用する際の注意点やリスクについて知りたい

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

この記事でわかること
  • FXでキリ番が意識される理由と、その効果的な活用法
  • キリ番を使ったトレード手法
  • キリ番を利用する際に注意すべきリスク
  • キリ番の位置を簡単に把握できる自動インジケータの紹介

を解説します。

FXのキリ番(ダブルオー)とは?

ポイント
  • FXのキリ番とは、為替レートが「00」で終わる価格のことを指します。
  • ゼロが2つ並ぶので、別名「ダブルオー」とも呼ばれます。
  • ゼロが3つ並ぶ、「トリプルオー」もあります。

例えば、ドル円相場で115.00円や120.00円などがキリ番に該当します。

キリ番は、トレーダーの間で注目される価格レベルであり、為替取引において重要な心理的な節目として認識されています。

ダブルゼロとトリプルゼロ

ダブルゼロとトリプルゼロは、共にキリ番の一種です。その違いは「0」が続く数です。

<ダブルゼロ>

  • 下2桁が「00」で終わる価格(例:115.00、1.2500)
  • 比較的頻繁に出現し、多くのトレーダーが注目

<トリプルゼロ>

    • 下3桁が「000」で終わる価格(例:110.00、1.2000)
    • より大きな心理的節目として機能
    • 市場に与える影響力が強い

    ダブルオー、トリプルオーの価格帯は、多くのトレーダーが注目するため、需要と供給が集中しやすく、価格の反転や一時的な停滞が起こりやすいです。

    キリ番は転換点として機能

    キリ番は、FX市場において重要な転換点として機能することがあります。その結果として、サポートとレジスタンスラインがキリ番に形成されます。

    キリ番 レジサポ

    キリ番に「注文」を置くトレーダーが多いため、その注文を巻き込んでキリ番付近では価格が大きく動きます。機関投資家もこれを利用した取引を行うことがあり、一度キリ番を抜けると値動きが加速することがあります。

    このように、キリ番付近では価格が反転することもありますが、一方的な値動きになることを狙っているトレーダーも多いため注意が必要です。

    キリ番が意識される理由

    FX取引において、キリ番(ダブルゼロやトリプルゼロなどの切りのよい数字)が意識される理由は以下の通り複数あります。

    ポイント
    • わかりやすい価格であり注文が集中しやすい
    • 多くの人が意識している
    • オプション取引で使われる重要な価格

    わかりやすい価格であり注文が集中しやすい

    キリ番は、その名の通り、切りのよい数字であるためトレーダーにとって非常にわかりやすい価格となっています。例えば、ドル円相場で115.00円や120.00円といった価格は、115.37円や119.82円といった端数のある価格よりも認識しやすく、記憶に残りやすいものです。

    この特性から、多くのトレーダーがキリ番を注文価格に設定するため、注文が集中します。多くの「利確注文」や「損切り注文」、さらに「新規エントリーの指値注文」がキリ番付近にセットされているので、価格が大きく動きやすいです。

    多くの人が意識している

    キリ番が心理的に意識される2つ目の理由は、多くのトレーダーがこれらの価格レベルを心理的に意識しているためです。FX市場は、参加者の集合的な行動によって価格が形成されます。多くの人が同じ価格レベルを注視していれば、それだけでその価格が重要になる可能性が高くなります。

    具体的には

    1. トレーダーの多くがキリ番を重要視する
    2. その結果、キリ番付近で注文が増える
    3. 注文の集中によりキリ番が実際に重要な価格レベルとなる
    4. キリ番の重要性が再確認され、さらに多くの人が意識するようになる

    このサイクルにより、キリ番の重要性が市場参加者の間で強化され、継続的に意識される価格レベルとなっていきます。

    オプション取引で使われる重要な価格

    キリ番が心理的に意識される3つ目の理由は、オプション取引において重要な役割を果たしているからです。為替市場では、スポット取引だけでなく、オプション取引も行われており、その影響は無視できません。

    オプション取引では、権利行使価格(ストライク価格)として、しばしばキリ番が使用されます。

    例えば:

    1. コールオプション:115.00円で円を売る権利
    2. プットオプション:120.00円で円を買う権利

    このようなオプション契約が多く存在することで、それらの権利行使価格であるキリ番付近では、オプションの売り手によるヘッジ取引や、権利行使に伴う取引が発生しやすくなります。

    結果として、キリ番付近では取引量が増加し、価格の動きに影響を与える可能性が高まります。このため、オプション取引の存在自体が、キリ番の重要性を高める一因となっているのです。

    以上の理由から、FX市場においてキリ番は単なる切りのよい数字以上の意味を持ち、多くのトレーダーに心理的に意識される重要な価格レベルとなっています。

    ただし、これらの価格レベルを過度に重視しすぎると、他の重要な市場要因を見逃す可能性があるため、バランスの取れたアプローチが重要です。

    FXでキリ番を使うメリット

    ポイント
    • FX初心者にも分かりやすい
    • サポートレジスタンスラインとして機能
    • 利確・損切の目安にしやすい

    FX初心者にも分かりやすい

    FX取引においてキリ番(ダブルゼロやトリプルゼロなど)を活用することは、初心者にとってメリットがあります。キリ番は、1ドル=100円や1ユーロ=150円といった、覚えやすく認識しやすい価格帯です。これらの数字は日常生活でもよく目にするため、FX初心者でも直感的に理解しやすいのでトレードで使いやすいです。

    初心者におすすめの使い方は、以下の通りです。

    • 相場の全体像を把握:100円、110円、120円といった区切りで相場の動きを俯瞰してみる。相場がどっちに動いているか理解しやすい。
    • 価格変動の幅を認識:FXを始めたばかりのころは、価格がどの程度動くのか感覚的に理解しずらいです。キリ番をる使えば、100円から101円への変動が1円、つまり100pipsの変動と覚えやすいので、理解が早まりやすいです。
    • 取引の計画を立てやすい:「100円で買って、105円で売る」といった具体的な計画が立てやすいので、トレードがシンプルにできます。

    キリ番を意識することで、FX初心者でも相場の動きや取引の基本を理解しやすくなり、スムーズにFX取引を始めることができます。

    サポートレジスタンスラインとして機能

    FX取引におけるキリ番は、重要なサポートラインやレジスタンスラインとして機能することが多く、これは経験豊富なトレーダーに有効です。

    サポートラインとは、「価格がそれ以上下がりにくい下値の目安となる価格帯」を指し、レジスタンスラインは逆に、「価格がそれ以上上がりにくい上値の目安となる価格帯」を指します。

    キリ番が、サポートラインやレジスタンスラインとして機能することで、相場の転換点や反発のタイミングがわかります。ただし、常に機能するわけではないため、他の分析手法と組み合わせて活用することが重要です。

    利確・損切の目安にしやすい

    キリ番を活用することメリットの最大のメリットは、利確や損切りの目安として使いやすいという点です。

    キリ番は決まった価格のため、水平線や移動平均線などの任意のものとは異なり、明確な基準として使いやすです。例えば、「105円で利確、95円で損切り」といった具体的なトレード計画がわかりやすく作れます。

    さらに、感情的な判断を一切なくせます。事前に決めたキリ番に従うことで、相場の変動に一喜一憂せずに冷静な判断が常にでき、損失が広がるのを回避できます。同じ基準で複数のトレードを行うことで、自身のトレードスタイルの検証や改善がしやすくなるのもメリットです。

    キリ番を活用したFXトレード手法

    FXトレードにおいて、キリ番(ダブルゼロやトリプルゼロ)を活用した手法は、多くのトレーダーが使っています。

    ここでは、キリ番を効果的に利用したFXトレード手法をいくつか紹介します。キリ番の持つ心理的な影響力を利用しながら、インジケータやプライスアクションと組み合わせることで、より効果的なトレードができます。

    ピンバーとキリ番の組み合わせ逆張り手法

    ピンバーとキリ番を組み合わせた逆張り手法は、強力なエントリーポイントとなります。

    この手法は以下の手順でエントリーします。

    1. キリ番付近でピンバーの形成を待つ
    2. ピンバーが形成され、キリ番で価格が反転したことを確認
    3. ピンバーのヒゲと逆方向にエントリー(下ヒゲの場合は買い、上ヒゲの場合は売りエントリー)
    キリ番 ピンバー

    例えば、USD/JPYが120.00円付近でピンバーが下向きに形成された場合、買いエントリーします。この手法は、キリ番での価格の跳ね返りとピンバーの反転シグナルを組み合わせることで、より信頼性の高いエントリーポイントを見つける手法です。

    損切はエントリー根拠とした、「ピンバーの高安値を更新したとき」に設定します。利確は少なくともリスクリワードが1:1以上になるように決めましょう。

    ピンバーをはじめとする「プライスアクションを可視化できるインジケータ」は下記のリンクからダウンロードできます。

    ZigZag・ダウ理論とキリ番を使った順張り手法

    ZigZag指標とキリ番を組み合わせた順張り手法は、トレンドの方向を加味してエントリーポイントの判断を行う手法です。順張りのため、大きな値幅を狙うこともできます。

    この手法の手順は以下の通りです:

    1. ZigZag指標でトレンドの方向を確認
    2. トレンド方向への値動きの押し目や戻り目を待つ
    3. 価格がキリ番に接近し、トレンド方向に動き出したところで順張りエントリー
    キリ番 ZigZag

    トレンドの確認方法やZigZagとダウ理論を組み合わせた手法について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

    ピボットとキリ番の合致を狙った手法

    ピボットポイントとキリ番が一致する場面を狙ったトレード手法は、強力なサポート・レジスタンスレベルを利用した手法です。

    この手法の基本的な考え方は以下の通りです。

    1. 日足のピボットポイントを計算(下記の関連記事からピボットのインジケータをダウンロードできます)

    2. ピボットポイントとキリ番が近い、または一致する箇所を特定

    3. キリ番とピボット価格でのプライスアクションを観察

    4. 反発やブレイクアウトに応じてエントリー

    例えば、ポンドドル相場で週間ピボットポイントが1.3000と計算され、これがキリ番と一致する場合、このレベルは非常に重要な価格帯となります。価格がこのレベルに接近した際、強い反発が見られれば逆張りのチャンス、明確なブレイクアウトが確認されれば順張りのチャンスです。

    ピボットとキリ番が重なると強力な抵抗となり反発することも多いですが、 抜けると値動きが一気に加速するので、反発すると思い込んでトレードしないようにしてください。

    キリ番トレードの注意点とリスク

    キリ番を活用したFXトレードには確かに魅力的な側面がありますが、同時に重要な注意点とリスクも存在します。

    デメリット
    • 安易な逆張りの危険性
    • 指標発表など市場の急変では意識されない
    • 機関投資家にストップ狩りを狙われる

    安易な逆張りの危険性

    キリ番での逆張りトレードは、一見魅力的に見えますが、安易に行うと大きなリスクを伴う可能性があります。

    • トレンドの無視:強いトレンドが形成されている場合、キリ番で単純に逆張りを行うと、トレンドに逆らうことになり、大きな損失につながる可能性があります。
    • ファンダメンタルズの軽視:為替レートの動きは、経済指標や政治情勢など、さまざまな要因によって影響を受けます。キリ番だけに注目し、これらの重要なファクターを無視すると、市場の真の方向性を見誤る可能性があります。
    • 過度の自信:キリ番で何度か成功体験を得ると、過度な自信につながり、リスク管理を疎かにしてしまう危険性があります。

    安易な逆張りを避けるためには、キリ番だけでなく、トレンド分析やテクニカル指標、ファンダメンタル分析など、複数の要素を組み合わせて総合的に判断することが重要です。

    指標発表など市場の急変では意識されない

    経済指標の発表や予期せぬニュースなどにより、市場が急変する場合があります。このような状況下では、キリ番が意識されにくくなる傾向があります。

    • ボラティリティの上昇:重要な経済指標発表時には、為替レートが大きく変動することがあります。この時、キリ番を無視して一気に大きく動く可能性があります。
    • 流動性の低下:市場の急変時には、一時的に流動性が低下することがあります。この場合、キリ番付近で注文が集中しても、それらが十分に機能しない可能性があります。
    • 心理的要因の変化:市場参加者の注目が経済指標やニュースの内容に集中し、キリ番への意識が薄れる可能性があります。

    このようなリスクに対処するためには、経済カレンダーを常にチェックし、重要イベントの前後ではキリ番トレードに過度に依存しないことが大切です。また、ストップロスを適切に設定し、不測の事態に備えることも重要です。

    機関投資家にストップ狩りを狙われる

    キリ番付近には多くのトレーダーのストップロスが集中する傾向があるため、機関投資家によるストップ狩りの標的になりやすいというリスクがあります。

    機関投資家等の大口トレーダーは意図的にキリ番を突破させ、多くのストップロスを誘発させることで、自身に有利な価格帯で取引を行おうとします。ストップ狩りが成功すると、連鎖的にストップロスが発動し、価格が急激に動く可能性があります。これにより、想定以上の損失を被る危険性があります。

    機関投資家の動きを個人トレーダーが正確に予測するのは非常に困難です。このため、キリ番付近でのトレードには常に不確実性が伴います。

    このリスクに対処するためには、ストップロスの設定を工夫することが重要です。例えば、キリ番からやや離れた位置にストップロスを設定したり、トレーリングストップを活用したりするなど、柔軟な対応が求められます。

    キリ番トレードには確かに魅力的な側面がありますが、これらの注意点やリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが、長期的な成功につながる重要なポイントとなります。

    成功するキリ番トレードのコツ

    キリ番を活用したFXトレードは、多くのトレーダーにとって魅力的な戦略です。しかし、単にキリ番だけを頼りにするのではなく、成功するためにはいくつかのコツがあります。ここでは、キリ番トレードで成功するための重要なポイントについて紹介します。

    感情を抑え、計画的に取引を行う

    キリ番トレードを成功させるための最も重要なコツの一つは、感情をコントロールし、計画的に取引を行うことです。

    まずは、事前にトレード計画を立てます。エントリーポイント、利確ライン、損切りラインを明確に設定し、リスク管理を徹底し、1回の取引での最大損失額を決める。損失額に応じた取引数量(ロット)の計算はこちらの取引ツールで自動でできます。

    そして、感情的な判断を避けるようにしてください。損失を恐れるあまり早めに利確してしまうことを防ぐぎ、勝ちが続いても過度な自信から無謀なトレードをしないようにしましょう。

    ストレス管理も大切です。連続損失時は一時的にトレードを休んで、冷静な判断ができる精神状態を保つように心がけてください。感情に左右されず、計画に基づいた取引を行うことで、キリ番トレードの成功率を高めることができます。

      他の指標や情報との効果的な組み合わせ

      キリ番だけでなく、他の技術的指標や基本的分析との組み合わせを活用することで、より精度の高いトレード判断ができます。

      上記で解説した通り、キリ番は他のインジケータや水平線などと相性が良いです。自分の手法がすでにある方は、その手法にキリ番を組み込むだけで、勝率が劇的に変化すること間違いなしです。

      キリ番自動表示インジケータ

      MT4用のキリ番自動表示インジケータはこちらからダウンロードできます。

      ここに写真
      著者:ゆう
      FX裁量トレーダーからスタートし、現在はエンジニアの経験を活かしてEAトレードをメインに取引中。トレーダーの方々にEA、インジケータや取引ツールを作成して提供しています。
      FX取引の注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」を参照してください。