この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
- EAの基本と裁量取引との違い
- 無料EAと有料EAの違い
- EAの選び方
- おすすめのEA
この記事では
といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、
を解説します。
コンテンツ
EA(エキスパートアドバイザー)は、FX取引を自動で行ってくれるプログラムのことです。簡単に言うと、あなたがあらかじめ決めたルールに従って、買ったり売ったりを自動でやってくれるツールです。
例えば、「この価格になったら買う」「このタイミングで売る」といった設定をしておけば、その通りに取引をしてくれます。
EAがあると、自分でパソコンの前に張り付いて取引のタイミングを見計らう必要がなくなります。しかも、人間の感情に左右されずに機械的に取引するので、冷静な判断が求められる場面でも正確に動いてくれます。
EAはMT4などの専用ツールでのみ使用可能なツールです。MT4では「MQL4」と呼ばれる独自のプログラム言語で書かれたコードによって自動売買が実行されます。
例えば、時間を指定して取引したい場合は、9時になったら「買って」、20時に「決済」するというプログラムとすることでEAが時間になったら自動で売買してくれます。
EAと裁量取引の大きな違いは、「自動化の有無」です。
裁量取引は、トレーダー自身が市場を見て判断し、「手動」で売買を行う方法です。市場の状況を見ながら、その時々の判断で取引を進めるので、自分の経験や直感が大きく影響します。
一方、EAはあらかじめ設定したルールに従って「自動」で取引を行います。例えば、「この価格になったら買う」「このインジケーターがこうなったら売る」といった具体的な条件を設定すると、その条件が満たされた時にEAが自動で取引を行います。これにより、感情に左右されることなく取引できます。
裁量取引では、自分の判断で自由に取引ができますが、EAを使うとその判断の手間が省け、機械的に取引が行われます。
自動売買にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴と戦略を持っています。トレーダーの取引スタイルや目的に応じて、適切な自動売買ツールを選ぶことが成功の鍵となります。
テクニカルEAは、ぞの名の通り「テクニカル分析」に基づいて取引を行う自動売買プログラムです。
インジケーター(移動平均線やRSIなど)やチャートパターン(ピンバーやリバーサルなど)を活用し、市場の動きを分析して取引のタイミングを判断します。テクニカルEAには、取引の期間や頻度によって下記の通りさらに細かく分類されます。
スキャル系のテクニカルEAは、「超短期間」で取引を繰り返し行うEAです。
数秒から数分の間にポジションを取ってはすぐに決済するという、高頻度の取引を繰り返します。このタイプのEAは、「スプレッド」の影響を受けやすいため、スプレッドの小さい通貨ペアや低コストの取引環境での運用が必須です。また、素早く利益を確定する戦略をとるため、損切りが大きくならないようリスク管理が非常に重要です。
短期系のテクニカルEAは、「数分から数時間」のスパンでポジションを持つEAです。
その中でも、トレンドフォローやブレイクアウト、逆張り手法など多くのロジックが存在します。短期系のEAは、スキャル系に比べて取引頻度は低いものの、マーケットのトレンドをしっかりと捉えることで安定した利益が狙えます。このタイプのEAは、市場の流れに敏感に反応するインジケーターを活用することが多いです。
長期系のテクニカルEAは、数日から数ヶ月、さらにはそれ以上の期間にわたってポジションを保持します。
長期的なトレンドに基づいてポジションを構築し、相場の大きな流れを捉えて利益を狙います。このタイプのEAは、経済指標などの急激な市場変動に影響されにくいため、安定した運用できます。ただし、スワップがマイナスの通貨では常にコストが発生するので注意が必要です。
アノマリーEAは、市場の過去な傾向や特定の期間に見られるパターンを利用して取引を行う自動売買プログラムです。
例えば、特定の月や曜日に価格が上昇する傾向がある場合、そのパターンを利用して買いの取引を行います。アノマリーEAは、過去のデータを基にした戦略を採用するため、一定の安定性がありますが、アノマリーが通用しなくなるリスクも伴うため、定期的なパフォーマンスの検証が不可欠です。
ナンピンEAは、ポジションを徐々に追加することで含み損分を含み益で解消して利益を上げる自動売買です。
買いのポジションを保有中に価格が下がった場合に「さらに買い増し」を行い、平均取得価格を下げることで上昇に反転した際になるべく早く利益を確定できるようにする戦略です。
ナンピンEAは相場が一定の範囲内で反転することを前提としており、「一方的な大きなトレンドが発生する」とポジションが多くなり大きなリスクを伴います。このためナンピンEAを使用する際は、ロスカットになるリスクを許容して、適切な資金で運用することをおすすめします。
ナンピンEAについては下記の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひ読んでください。
半裁量EAは、自動売買と裁量取引を組み合わせたプログラムです。
半裁量EAはトレーダーが注文したポジションに応じて「追加注文(ナンピン、ピラミッティングなど)」や「ポジション決済」を自動で行うEAが多いです。
トレーダーがポジションの保有後にずっとチャートに張り付いて値動きをみる必要もなく、状況に応じて自動で決済までできるので、エントリーは自分でしたいけど、決済はお任せしたい人に、非常に有効なEAですy。
本サイトでも半裁量EAとして「Smart Order」ツールを配布中です。気になる方は下記の記事から詳細を確認ください。
自動売買を導入する最大のメリットのひとつは、「トレードに一貫性を持たせられる」点です。
裁量トレードでは、「メンタル」や「損益金額」が判断に影響を与え、恐怖や欲望によって冷静な判断を欠くことがあります。
しかし、自動売買は事前に設定されたルールに従って取引が行われるため、感情に左右されず、常に同じ戦略でトレードを続けることができます。これにより、投資のパフォーマンスが安定し、予期せぬ損失を防ぐ可能性が高まります。結果として、長期的に見れば一貫した成果を上げやすくなります。
EAを活用することで、トレードチャンスを逃すことがありません。
24時間取引ができるFX市場では、チャンスがいつ来るかはわかりません。常にモニタリングを行うことは人間には難しいですが、自動売買ならば設定した戦略に従い、チャンスが訪れた瞬間に取引できます。これにより、トレーダーが見落としてしまう可能性のある仕事中や寝ている時間にも、利益を得られます。
自動売買は、トレーダーの時間を大幅に節約できます。
通常のトレードでは、市場の動向を常にチェックし、取引のタイミングを見計らうために多くの時間を費やす必要があります。しかし、自動売買を導入することで、設定さえ完了すれば、システムが自動的に取引を行うため、日々のトレードにかかる時間を大幅に削減できます。
その結果、この時間を分析や戦略の見直し、もしくは仕事や睡眠に充てることができるため、より効率的な生活を送れます。
自動売買を利用することで、多様なポートフォリオを構築できます。
「ポートフォリオ」とは本来、株や債券・現金などの資産をどのような配分で保有するかということを指す言葉ですが、ここではEAを複数稼働することを意味しています。
自動売買でポートフォリオを構築することで、複数のEAのいくつかが調子が悪く、思ったような利益が出ていないときでも、他のEAでそれを補填することができます。
裁量トレードで異なる手法や通貨ペアを同時に使いながらトレードするのは経験が必要で難しいです。
そこで異なる戦略や通貨ペアを使った複数の自動売買システムを組み合わせることで、リスク分散を図りながら、安定した収益を目指すことができます。また、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを監視し、必要に応じて調整を行えます。
自動売買の最大の誤解のひとつは、永続的に利益を上げ続ける「聖杯」となるEA(エキスパートアドバイザー)が存在するという考えです。
しかし、現実にはどのEAも市場の状況や変動に完全に対応し続けることは不可能です。市場は常に変化し、新たな経済指標やニュースが瞬時に影響を与えるため、EAが過去のデータに基づいて構築されたものであれば、未来の市場環境に適応できない可能性があります。したがって、EAの運用には常に見直しと調整が必要であり、「勝ち続ける」保証はどこにもありません。
このことを誤解せず理解した上で、EAを運用することが重要です。そのためには複数のEAを稼働してポートフォリオを構築して複数のEAで補填しておくことをおすすめします。
売買ロジックはEA開発者や販売者の商材となるため公開されていない場合が多くいです。大半のEAはブラックボックス化されており、そのアルゴリズムやロジックがユーザーに明かされません。
そのため、ユーザーはEAの判断や取引の根拠を理解することが難しいです。売買ロジックを理解できない場合、EAが想定外の動きをした際に適切な対応が取れず、大きな損失を被る可能性があります。
EAの中には「透明性の高い」ものもあります。稼働する時は、EAの過去の実績だけでなく、売買ロジックが理解できるものを選ぶことをおすすめします。
EAは便利な一方で、リスクも伴います。EAはあくまでプログラムであるため、市場の急激な変動や予測できない事態に対応することが難しいです。例えば、予期せぬニュースや経済指標の発表などにより相場が大きく動いたとき、EAが適切に対応できず、大きな損失を招くリスクがあります。
また、EAを使う際には、設定ミスやプログラムの不具合が発生する可能性も考慮する必要があります。EAの設定が正しく行われていなかったり、バグがあったりすると、想定外の取引が行われてしまうことがあります。
さらに、EAに過信してしまうと、市場の状況やトレンドを把握する力がつきません。市場の動きに対する洞察力を持たずにEAに依存しすぎると、トレーダーとしての実力がないため状況に応じて資金を調整するなどの対応が遅れてしまい、損失を膨らませてしまうことになります。
以上のように、EAを利用する際にはメリットだけでなく、リスクや注意点を十分に理解しておくことが重要です。
優良なEAを選ぶ際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。まずはロジックが公開されているかです。次にEAの実績を確認することが重要です。実績とは「過去の相場に対してどのような成績(バックテスト)」になっているかではないです。本当の実績とは、EAが実際のリアルな相場で、どのような成績が出ているかです(フォワード)。最後にバックテストが正確にされているかを確認します。
どのようなロジックのEAか公開されており、自分が理解できるEAを選ぶことが最も重要です。
ロジックが分からないとそのEAのリスクを理解できません。エントリーや決済のすべてが詳細に公開されていなくてもよいですが、損切されることはあるのか、あるのであればロジックをきちんと理解でき、リスクを把握できるものであれば最低限の基準はクリアです。
自分の資産を預けるものの内容が理解できないのは不安でしかありません。自分が理解でき納得できるものだけを選ぶようにしましょう。
EAのフォワードの実績が公開されていることも確認しましょう。フォワードとは実際にEAを運用した実績です。
過去の相場で勝てないようなEAは将来勝てる可能性は低いです。ただ過去の相場で優秀であっても将来どうなるかはわかりません。市場は常に変化しているため、バックテストで好成績を収めたEAでも、実際の取引環境では思わぬ結果になることがありますので、フォワードも確認してください。
過去の実績は成績をわざとよく見せることができてしまいます。
例えば、過去の2年間で上昇トレンドがずっと続いている通貨があったとします。極端に言えばその場合、「下がったタイミングで買うだけ」のロジックを値動きに都合のいいように合わせるだけで成績が優秀なEAができてしまいます。(EAの「カーブフィッティング」)
そのため、過去のEAの成績だけでなく必ずフォワードの成績も見て選ぶようにすることをおすすめします。
正確なバックテストが公開されていることは、EAの最低条件です。これがないのに「言葉」や「画像」だけで紹介されているものには気を付けましょう。
バックテストで見るべきは、どのくらいの期間安定した成果を上げているかです。信頼できるEAは、短期間だけでなく長期間にわたって安定した成績を残しているものが多いです。ある特定の期間だけものや、期間が古すぎるものにはやめておきましょう。
EAには無料のものと有料のものがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
無料EAは、コストをかけずに導入できるという大きなメリットがあります。特に初めてEAを試してみたい人にとっては、リスクが少なく、気軽に使い始めることができるのが魅力です。さらに、無料EAをデモ口座でリスクゼロで運用して「EAってどんなものか」を確認してみることをおすすめします。
しかし、無料EAは多くの場合、機能が限られていたり、口コミなど第3者の評価を確認することが難しいです。サポートがない場合もあり、問題が発生した際に自分で解決する必要がある点に注意が必要です。
有料EAは、開発者が継続的にサポートを提供し、最新の市場環境に合わせてアップデートされることが多いため、安定性や信頼性が高い傾向があります。ただし、コストがかかるため、購入前に十分なリサーチが必要です。また、期待通りのパフォーマンスを発揮しない場合もあるため、レビューやフォワードテストの結果を確認することが重要です。
無料EAと有料EAの選択は、まずはコストを抑えつつ無料EAを試して、余裕が出てきたら高度な機能や評価の高い有料EAを選ぶことをおすすめします。
最後に覚えておいていただきたいことは、絶対に、いきなり高額なEAを購入することはやめましょう。よくわからない中で月利○○%や資金10倍などのセールスに乗ってしまうと後悔することになります。
初心者がEAを選ぶ際には、シンプルで使いやすいものがおすすめです。MT4の開発元である MetaQuotesの公式サイトでは、シンプルで優秀なEAが無料で配布されているので、ぜひ一度確認してみてください。
本サイトでも、コミュニティ参加者限定ですが、EAを配布していますので気になる方はチェックしてください。ロジックとフォワードの実績もきちんと公開しています。
EAを使用する際には、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。こうしたトラブルに対処するためには、事前に一般的な問題とその対策を紹介します。
まず、EAが正しく動作しない場合があります。これは設定ミスやプラットフォームの不具合が原因であることが多いです。
例えば、EAが全く取引を行わない場合、取引条件が厳しすぎる、もしくはそもそもEAが有効になっていない可能性があります。こうした場合には、設定を見直したり、プラットフォームの再起動を試みると良いでしょう。
EAがロジックと違う予期せぬ取引を行うこともあります。設定したルールが市場の状況に合っていない、またはEAのプログラムにバグがある可能性があります。使用を中止するようにしてください。
またEAを稼働しているPCやVPSの状況にもよります。PCのスペック不足やインターネット接続の不具合やサーバーのダウンなど、外部要因によるトラブルも考えられます。
VPSはPCよりも安定してEAが稼働できますが、VPSの提供している業者によっては安定して稼働できていない場合もありますので、VPSの選定が正しくできているか見直してください。
これらのトラブルに対する適切な対策を講じることで、EAの安定した運用を維持し、予期せぬ損失を防ぐことが可能になります。
FX EAで成功するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。これらのポイントをしっかりと理解し、実践することで、安定した収益を得ることが可能になります。
まず、最初に取り組むべきは「リスク管理」です。
どんなに優れたEAでも、リスク管理を怠ると大きな損失を招く可能性があります。取引ごとに適切なロットサイズを設定し、損切りラインを確実に設けることで、予期せぬ市場の変動に備えることができます。
また、複数の通貨ペアや戦略を組み合わせたポートフォリオを構築してリスクを分散させることも有効です。
次に、「フォワードテストの実施」が成功の鍵となります。バックテストだけでは確認できない、リアルタイムの取引での動作やパフォーマンスをしっかりと把握し、必要に応じて設定を微調整します。これにより、EAが本番環境でも期待通りに機能することを確認できます。
さらに、市場は常に変化しているため、EAの設定や戦略も定期的に見直す必要があります。定期的な見直しを行うことで、長期的に安定した収益を上げられます。
これらのポイントを実践し、FX EAを効果的に運用することで、長期的な成功を目指すことが可能になります。
EAは裁量トレードに比べてトレーダーの時間を節約でき、感情を排除できるため安定したトレードができます。さらに複数のEAを組み合わせることで市場の変化によらず収益を上げ続けられます。
一方で、世の中にはEAがいっぱい存在しており、過去の成績だけをよく見せるために作られたものも存在します。そのため、本記事で紹介したEAの選び方を理解していただき、優秀なEAだけを見分けられるようになりましょう。
まず、最初は無料のEAで十分です。自分にEAに対する知見や経験が蓄積してから有料のEAに手を出すようにしましょう。