FX初心者やパソコンの買い替えを検討している方に向けて、MT4でのFXトレードに適したパソコンの選び方とおすすめモデルを紹介します。
デスクトップPCとノートPCのどちらが自分に向いているか、用途に応じた必要スペック、マルチモニター環境の有無、そして予算別の具体的なモデルを取り上げます。
最後に、Windowsを前提としつつMacをおすすめしない理由についても解説します。
デスクトップPC vs ノートPC:どちらが自分に向いている?
パソコンには大きく分けて据え置き型のデスクトップと持ち運び可能なノートPCがあります。それぞれメリット・デメリットがあり、利用シーンによって適した選択肢が異なります。
特徴 | デスクトップPC | ノートPC |
---|---|---|
おすすめな人 | 取引場所が自宅等で移動しない 性能を重視する 複数画面でトレードする | どこでもトレードしたい 省スペースでトレードしたい 複数画面が必要ない |
長所 | コストパフォーマンスが高い メモリ増設やグラボ追加可能 3~4画面のマルチディスプレイも | 持ち運びができ、どこでもトレード可能 モニターなどのデバイスが必要ない 停電時もバッテリー駆動でトレードできる |
短所 | 本体+モニター類でスペースが必要 持ち運びが困難 停電時にトレードができない | 性能あたりの価格が割高。 カスタマイズ性が低い 長時間の高負荷動作で熱や騒音が大きい |
持ち運び重視ならノートPC、設置場所が固定で拡張性を求めるならデスクトップPCがおすすめです。
例えば「自宅でマルチモニター環境を組みたい」「性能重視で将来GPUも追加したい」という場合はデスクトップが適しています。一方、「出先でも取引したい」「省スペースで手軽に始めたい」ならノートPCが向いています。
MT4に必要なスペックと画面環境
MT4でのトレードには、最新のゲームや動画編集ほどの高性能は不要ですが、安定した動作と複数チャートの表示のために一定のスペックが必要です。
以下はFXトレード用途における必要スペックの目安です。
項目 | スキャルピング (高負荷) | デイトレード (中〜高負荷) | スイングトレード (中負荷) | 長期投資 (低負荷) |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7 / Ryzen 7 | Core i5〜i7 / Ryzen 5〜7 | Core i5 / Ryzen 5 | Core i3 / Ryzen 3 |
メモリ | 最低16GB (理想32GB) | 16GB | 8GB | 最低4GB |
ストレージ | SSD 500GB以上 | SSD 500GB | SSD 256GB以上 | SSD 128GB |
GPU | グラボ搭載 (複数画面) | 高性能内蔵GPU | 内蔵GPU | 内蔵GPU |
モニター | 最低2画面 | 2画面 | 1〜2画面 | 1画面 |
通信環境 | 有線LAN必須 | 有線LAN推奨 | Wi-Fiでも可 | Wi-Fi |
マルチモニター環境について補足すると、2画面までは多くのノートPCでも対応可能ですが、3画面以上で快適に作業したい場合はデスクトップPCやマルチディスプレイ対応のノート機種を選ぶ必要があります。
デスクトップPCの場合はマザーボード上の映像出力で2~3画面、さらにグラフィックボード増設で4画面以上も実現可能です。複数画面があれば、チャート切替の手間が減り分析や情報把握の効率が飛躍的に向上します。ご自身の取引スタイルに合わせて、画面数も検討しましょう。
予算別おすすめPCモデル(2025年時点)
ここからは予算別に、具体的なおすすめWindows PCモデルを紹介します。それぞれ2025年現在入手可能な製品から選び、スペックとおすすめポイントを添えて解説します。
価格は目安の税込みで、構成や購入先により変動する場合があります。
スイング向けモデル:~10万円程度
予算10万円以内では、MT4での長期トレードに必要十分な性能を備えたエントリーモデルが手に入ります。最新世代のCore i3やRyzen 3クラスでも、第13世代以降のCPUであれば旧世代のCore i5に匹敵する性能を持つため侮れません。
メモリは可能な限り8GB以上、ストレージもSSD搭載機を選びましょう。
①ドスパラ THIRDWAVE DX-R5(ノートPC)
- 参考価格:91,580円(税込)
- CPU:Intel Core i5-1335U(最大4.6GHz、10コア/12スレッド)
- メモリ:16GB
- ストレージ:500GB SSD
- ディスプレイ:15.6インチ フルHD(1920×1080)
- OS:Windows 11 Home
第13世代のCore i5プロセッサーと16GBメモリを搭載し、MT4での複数チャート表示やブラウザの同時使用も快適にこなせます。重量約1.7kgと持ち運びにも適しており、自宅でも外出先でも柔軟に使用できます。
②ドスパラ Magnate IH(デスクトップPC)
- 参考価格:72,880円(税込)
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i5-12400(6コア12スレッド、最大4.4GHz)
- メモリ:16GB(DDR5-4800、8GB×2)
- ストレージ:500GB NVMe SSD
- グラフィックス:Intel UHD Graphics 730(CPU内蔵)
このモデルは、最新の第12世代Intel Core i5プロセッサーと高速なDDR5メモリを搭載しており、MT4の複数チャート表示やブラウザの同時使用も快適にこなせます。また、500GBのNVMe SSDにより、起動やアプリの動作が高速で、ストレスのない作業が可能です。ミニタワー型の筐体は省スペースでありながら、拡張性も確保されています。
デイトレ向けモデル:15万円程度
10万~15万円の予算帯になると、より高速なCPUや大容量メモリを備えたミドルレンジ機が選択肢に入ります。このクラスではCore i5/i7やRyzen 5/7を搭載し、複数チャートの同時表示や高速な発注もストレスなく行える性能が期待できます。
①マウスコンピューター mouse B4-I7U01SR-A(ノートPC)
- 参考価格:149,800円(税込)
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:インテル® Core™ i7-1355U プロセッサー(10コア/12スレッド、最大5.0GHz)
- メモリ:16GB(8GB×2 / デュアルチャネル)
- ストレージ:500GB M.2 SSD(NVMe Gen4×4)
- グラフィックス:インテル® Iris® Xe グラフィックス
- ディスプレイ:14型 液晶パネル(ノングレア、WUXGA 1920×1200)
- 無線通信:Wi-Fi 6E(最大2.4Gbps)対応、Bluetooth 5内蔵
- バッテリー駆動時間:動画再生:約6時間、アイドル状態:約10時間
- 重量:約1.41kg
このパソコンは、スイングトレードやデイトレードを行うトレーダーにとって、性能と携帯性を兼ね備えた優れた選択肢です。高性能なCPUとメモリ、迅速なストレージを備え、快適なトレード環境を構築することができます。また、3年間の保証と24時間365日のサポートにより、安心して長期的に使用で
②ガレリア GALLERIA RM5R-R35 4500搭載(デスクトップPC)
- 価格:124,880円(税込)
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:AMD Ryzen 5 4500(6コア12スレッド、最大4.1GHz)
- メモリ:16GB(DDR4-3200、8GB×2)
- ストレージ:500GB NVMe SSD
- グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3050 8GB
- 電源:650W(80PLUS BRONZE認証)
- 筐体サイズ:220(幅)×440(奥行き)×425(高さ)mm
本PCは、性能と価格のバランスが良い選択肢となります。高性能なCPUとグラフィックスカード、十分なメモリと高速なストレージを備え、快適なトレード環境を構築することができます。将来的な拡張性も考慮されているため、長期的な使用にも適しています。
20万円程度~:ハイエンド向けモデル
15万円を超える予算が用意できるなら、ハイエンドクラスのPCで快適性と将来性を追求できます。より強力なCPU(Core i7/i9やRyzen 7/9)、32GB以上の大容量メモリ、さらには高速なNVMe SSDや高性能GPUを搭載したモデルも選べます。複数のMT4を同時稼働したり、他の用途(動画配信や分析ツール併用)にも耐えうる余裕が欲しい方に適しています。
①マウスコンピューター DAIV Z4-I7I01SR-A-AB (ノートPC)
- 価格:217,300円(税込)~
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:インテル® Core™ i7-1360P(12コア/16スレッド、最大5.0GHz)
- メモリ:16GB(8GB×2 / デュアルチャネル、DDR5-4800)
- ストレージ:500GB M.2 SSD(NVMe Gen4×4)
- グラフィックス:インテル® Iris® Xe グラフィックス
- ディスプレイ:14型 WUXGA(1920×1200)ノングレア、sRGB比100%、Dolby Vision対応
- 無線通信:Wi-Fi 6E(最大2.4Gbps)対応、Bluetooth 5内蔵
- バッテリー駆動時間:動画再生:約5時間、アイドル状態:約14時間
- 重量:約975g
FXトレードを行うトレーダーにとって、性能と携帯性を兼ね備えた優れた選択肢です。高性能なCPUとメモリ、迅速なストレージを備え、快適なトレード環境を構築することができます。
ドスパラ ガレリア GALLERIA RM7C-R46-C(デスクトップPC)
- 価格:228,880円(税込)
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Intel Core i7-14700F(20コア/28スレッド、最大5.3GHz)
- メモリ:16GB(DDR5-4800、8GB×2)
- ストレージ:1TB NVMe SSD(Gen4)
- グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB
- 電源:650W(80PLUS BRONZE認証)
- 筐体サイズ:220(幅)×440(奥行き)×425(高さ)mm
- 重量:約14kg
MT4でのトレードにMacは使える?
最後に、MT4でのFXトレード用PCとしてMacは推奨しません。
結論から言えば、MT4の互換性とサポートの問題から、基本的にトレード用途にはWindowsマシンが無難です。
- MT4の対応状況: MT4は元々Windows向けに開発されたプラットフォームです。このため完全にMacに対応できてはいないのが現状です。(2025年7月1日を持ってサポートが終了のため今後も改善される見込みなし)
- 互換性と安定性: Mac上で動かすMT4はどうしても安定性や動作保証の面で劣る場合があります。実際、Appleシリコン(M1/M2チップ)搭載Macでは従来の互換ソフトが動かないケースも報告されており、動作させるハードルが上がっています。
- 対応するFX業者・ツールの問題: 国内外のFX業者が提供する取引ツールや周辺ソフトウェアも、Windowsのみサポートというケースが依然多くあります。MacでもWebブラウザ経由の取引や一部ツールは利用できますが、MT4のようにWindows環境に依存したソフトを中心に使う場合、やはりWindows PCのほうが公式サポートや情報が充実しており安心です。
以上の理由から、FXトレード用途には基本的にWindowsパソコンを選ぶことをおすすめします。
どうしてもMacが良いという場合は、MT5への移行やVPS(仮想専用サーバー)経由でMT4を動かす方法なども検討されますが、初心者の方にはハードルが高いため避けたほうが無難でしょう。
実際のユーザーからも「Mac上でMT4を使うならParallelsなどでWindows環境を作るのが現実的。ただし所詮MT4もEAもWindows前提なので、Macで使うのは厳しいかもしれない」という声があり、やはり素直にWindows機を用意した方が快適にトレードに専念できます。