証拠金維持率は何%が安全?ロスカットについても解説【計算ツールプレゼント中】

証拠金維持率

証拠金維持率をきちんと管理できていますか?資金管理を理解せず、なんとなくのロットでトレードしてロスカットにあっていませんか?

この記事では

FXの証拠金維持率って何?どうやって計算するの?

レバレッジとはどのような関係?

ロスカットの条件がいまいち理解できない

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

・証拠金維持率の基本・レバレッジとの関係
・マージンコールとロスカットの基本と違い
・実際のトレードでの計算方法
・資金管理方法・証拠金維持率の設定

を解説します。

ここに写真
著者:ゆう
FX裁量トレーダーからスタートし、現在はエンジニアの経験を活かしてEAトレードをメインに取引中。トレーダーの方々にEA、インジケータや取引ツールを作成して提供しています。
FX取引の注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」を参照してください。

証拠金維持率とは?初心者に向けてわかりやすく解説

証拠金維持率とは

証拠金維持率とは、取引をするために必要なお金(必要証拠金)に対して何倍(%)の自己資金が証拠金(有効証拠金)として口座にあるかを計算したものです。例えば、取引するために1万円必要で口座に10万円ある場合の証拠金維持率は1000%(=10/1×100)となります。

証拠金維持率の値が大きいほど、余裕のあるトレードをしていることを意味しています。

レバレッジと証拠金維持率の関係

証拠金維持率はレバレッジと密接な関係があります。

すなわち、レバレッジの大小が証拠金維持率に影響します。

レバレッジとは、自己資金の何倍の金額を取引することができるのかを表します。
これがFX取引が小額で大金を扱える理由です。
レバレッジ25倍の場合、自己資金1万円で25万円分の取引が可能となります。

レバレッジが小さいとその分取引をするためにお金(必要証拠金)が多く必要になります。
したがって、証拠金維持率は小さくなります。

例えば、レバレッジが25倍と1000倍の場合を比較してみましょう。

このようにレバレッジが大きいほうが、証拠金維持率も大きくなり、余裕のある取引になることが分かります。

証拠金維持率を気にするべき理由

証拠金維持率が重要な理由は、証拠金維持率がある一定の水準を下回ると、ロスカットとなりポジションが強制的に決済されるためです。

FX取引においてロスカットはできるだけ避けたいものですが、資金管理がおそろかになり証拠金維持率を確認しないまま取引を行うと回避できない場合や予期せぬロスカットにあうことがあります。

ロスカットとマージンコールとは

ロスカットとは

ロスカットとは、証拠金維持率が一定の水準を下回った際に、強制的にポジションが決済されることです。

これは証拠金以上の損失がでないようにトレーダーを守るためのものではありますが、相場の急変動などにより証拠金以上の損失になる場合があるため、注意が必要です。

マージンコールとは

マージンコールとは、証拠金維持率が一定の水準を下回った際に、ブローカーから発せられる追加証拠金の入金要求や警告のことを指します。証拠金維持率が最低水準を下回ったことをトレーダーに通知し、一定期間内(ロスカット水準に達するまで)に追加の証拠金を入金するように求められます。

この期間内に追加の証拠金が入金されない場合、ブローカーはポジションを強制的に決済処理することがあります。トレーダーの意思に関わらず、保有ポジションが売却され、損失が確定してしまいます。

ロスカットとマージンコールの違い

違いは適応される証拠金維持率の水準です。

主な海外ブローカー各社の水準は以下の通り※1です。

FXブローカーマージンコールロスカットゼロカット
axiory50%20%
BIGBOSS50%20%
EXNESS60%0%
FXGT50%20%
XM50%20%

※1 口座の種類によっては上図とは異なる場合があります。

マージンコールとロスカットはいずれも、過度な損失を抑えるための重要な仕組みです。
ブローカーによってはゼロカットを保証している場合があり、その場合には証拠金を超えるような損失が発生した場合でも追証を支払う必要がありません。安心してトレードするためには利用するブローカーがゼロカットを採用しているかどうかは重要な要素となります。

証拠金維持率の計算

証拠金維持率は以下の式で計算できます。

証拠金維持率(%) = (有効証拠金)/(必要証拠金)× 100

例えば、100万円の取引を行う場合、最低でも10万円の証拠金が必要だとします。この時、自己資金(有効証拠金)が10万円あれば証拠金維持率は100%となります。
もし値動きにより含み損が2万円発生した場合には、自己資金(有効証拠金)は8万円となり、証拠金維持率が80%と下がります。
逆に含み益5万円が発生した場合は、証拠金維持率は150%と計算されます。

実際の計算例

  • 取引通貨ドル円(参考価格1ドル150円)、レバレッジ25倍、有効証拠金150万円、5万通貨を取引

①必要証拠金の計算

150(円)×50,000(通貨)/25(レバレッジ) = 300,000円

②証拠金維持率を計算

1,500,000(有効証拠金)/300,000(必要証拠金)×100 = 500%

含み損が発生した場合

  • 取引通貨ドル円、レバレッジ25倍、証拠金150万円、5万通貨を取引
    →ドル円を150円で売り注文した後、140円まで下落し、50万円の含み損が発生した

①必要証拠金の計算

140(円)×50,000(通貨)/25(レバレッジ) = 280,000円

②証拠金維持率を計算

(1,500,000(証拠金)-500,000(含み損))/280,000(必要証拠金)×100 = 357%

証拠金維持率は短期200%・長期1000%を目安に

証拠金維持率はどの程度の時間軸でトレードするかによって目安とする基準値は違ってきます。なぜなら値動きは長期になればなるほど大きくなるからです。

短期手法の場合は200%

短期の手法の場合には、ハイレバレッジで戦略を立てるのが効率的です。短い時間では経済指標等のイベントがない限り、動く値幅は小さいです。小さな値動きで大きな利益を出すには、より多くの通貨量で取引する必要があります。

多くの通貨量をトレードするためには自ずとハイレバレッジで証拠金維持率は低くなりますが、発注時には、最低でも証拠金維持率200%は確保することをオススメします。200%は必要な証拠金の2倍の自己資金を持っている状態で安全率としては高くもなく低くもない最低限の水準です。

長期手法の場合は1000%

長期の手法の場合には証拠金維持率は高く設定することをオススメします。

1000%はあくまで1つの目安です。レバレッジや取引する通貨ペアにもよりますのでいくらまで含み損が出ても問題ないか取引する前から確認しておくことが重要です。

以下で簡単に取引する前に証拠金維持率を計算できるツールがありますのでご活用ください。

必ず損切を設定してトレードしよう

トレードの経験がある程度ある人にとっては当たり前のことかもしれませんが、トレードで損切を設定しておくことは自分の資金を守ることのできる唯一の方法です。

損切を設定することによって、ロスカットになることを事前に防ぐことができます。

ゼロカットを利用して損切することも有効

海外FXブローカーの多くはゼロカットシステムを採用しています。これはロスカットになって自己資金以上の損失が出た場合でも、自己資金がゼロ(追証請求なし)になるものです。

言い換えれば、ゼロカットがあれば、自己資金以上の損失が発生することはありません。

ということは、自己資金として入金する金額が損切する金額になるということです。

例えば1万円入金してトレードすれば、最大でも1万円しか損失は出ません。ゼロカットを前提としてトレードすれば自動的に1万円が損切幅となります。

初心者の頃は特に、口座に大金を入れるのではなく、少額でハイレバレッジとゼロカットを生かした戦略を取ることはとても有効ですので、理解しておきましょう。

ゼロカットシステムをうまく利用すると、面倒な計算をすることなく自己資金を最大限に生かしてトレードできます。

取引ツールで初心者でも簡単に資金管理

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ゼロカットシステムがあるとはいえ、FXトレードをするためには適切な取引数量を計算しなければ無駄なロスカットをくらい、資金が減るだけです。

そうならないように、元エンジニアの私が初心者でも簡単に取引数量(ロット)や損切幅などの設定ができる、MT4取引ツールを作成しました。

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このツールは取引したい通貨ペアのチャートで許容する損失と損切幅を設定すると自動で適切なロットと損切時の最低証拠金維持率を計算してくれます。

これがあれば面倒な計算をトレードごとにする必要もなく、あらかじめリスクを確認してトレードができるため予期せぬロスカットにかかる可能性をなくすことができます。

まとめ

証拠金維持率とは、(必要証拠金)に対して何倍(%)の(有効証拠金)があるかを計算したものであることを、実際の事例での計算例を交えながら解説しました。

ロスカットの水準として証拠金維持率が設定されていることや証拠金維持率はどの程度を目安とすればよいかについても紹介しました。

さらに、初心者でも簡単に証拠金維持率やロット計算ができる取引ツールを用意していますので、ぜひ活用してください。