自動売買にVPSは必要なし?PC稼働でEA(MT4)を実際に利用してみた

自動売買VPS

この記事では

VPSって必要なの?PCとどっちがいいの?

FXでVPSを利用したいけど、どうすればいいかわからない

VPSはどうやって選んだらいい?

といった悩みや疑問を抱えている人に向けて、

・VPSとPCの比較
・【結論】VPSにしたほうが楽だが、PCを監視できるならVPSは必要ない
・FXで使用するVPSの選び方
・VPSでのMT4設定方法

を元エンジニアが解説します。

ここに写真
著者:ゆう
FX裁量トレーダーからスタートし、現在はエンジニアの経験を活かしてEAトレードをメインに取引中。トレーダーの方々にEA、インジケータや取引ツールを作成して提供しています。
FX取引の注意点に関しては、金融庁「外国為替証拠金取引について」を参照してください。

VPSとは何か?

VPS(Virtual Private Server)は、物理的なサーバーを複数の仮想マシンに分割し、それぞれに専用のリソース(CPU、RAM、ディスクスペースなど)を割り当てる技術です。各VPSは独立したオペレーティングシステムを実行し、ユーザーはその上で独自のアプリケーションを自由にインストールし、管理できます。

このセクションでは、VPSの基本概念と、FX取引におけるその特定の利点について詳しく説明します。

仮想化技術とは?

VPSは仮想化技術を利用しています。これは、1台の物理サーバー上で複数の独立した仮想マシンを同時に実行できるようにする技術です。仮想化により、各VPSは他のVPSとは隔離された環境で運用されるため、セキュリティとプライバシーが向上します。

VPSと伝統的ホスティングの違い

伝統的な共有ホスティング環境では、複数のユーザーが同じサーバーのリソースを共有します。これに対して、VPSでは各ユーザーに専用のリソースが割り当てられ、他のユーザーの活動が自分のパフォーマンスに影響を与えることはありません。これにより、より高いパフォーマンスと安定性が保証されます。

専用サーバーとの比較

専用サーバーは、1台の物理サーバー全体を1人のユーザーが専有する形態です。これにより最高レベルのパフォーマンスとカスタマイズが可能になりますが、コストが非常に高くなります。VPSは、専用サーバーに近いパフォーマンスとカスタマイズ性をより低コストで提供する優れた中間解となります。

FX取引におけるVPSの特定の利点

FXトレーディングでは、市場の変動に迅速に反応することが利益を最大化する鍵です。

VPSを利用すると、トレーダーは以下の利点を享受できます。

  • 低遅延接続: VPSプロバイダーは通常、主要な金融市場に近いデータセンターを運営しています。これにより、取引注文が市場に送信されるまでの時間が大幅に短縮され、スリッページを減らして利益を最大化できます。

  • 24時間取引: FX市場は週5日、24時間オープンしています。VPSを使用すると、パーソナルコンピューターを絶えず稼働させる必要がなく、自動取引システム(EAなど)を24時間稼働させることができます。

  • 安定した接続: 自宅やオフィスのインターネット接続は不安定になることがありますが、VPSは高速で安定したインターネット接続を提供します。これにより、重要な取引機会を逃すリスクを最小限に抑えます。

  • 強化されたセキュリティ: VPSプロバイダーは、サーバーのセキュリティ維持に重点を置いています。ファイアウォール、セキュリティ監視、定期的なアップデートを通じて、データと取引の安全を保証します。

VPSは、FX取引のパフォーマンスと効率を向上させるための重要なツールです。

低コストで専用サーバーに匹敵する性能と安定性を提供し、トレーダーにとって多くの利点をもたらします。

VPSの選び方

FX取引でVPSを使用する際、適切なサービスプロバイダーを選択することは、トレードの成功において非常に重要です。適切なVPSを選ぶことで、低遅延、高い稼働時間、そして必要なセキュリティを確保できます。以下では、VPSを選択する際に考慮すべき主要な要素について解説します。

性能要件

  • プロセッサ: トレードに使用するプラットフォームやツールは、適切なプロセッサ能力を必要とします。プロセッサのコア数と速度が高いほど、より多くの取引や複雑な計算を迅速に処理できます。
  • RAM: システムの応答性に直接影響します。運用する取引プラットフォームやエキスパートアドバイザー(EA)の数に応じて、十分なRAMが必要になります。
  • ストレージ: SSD(ソリッドステートドライブ)を選択すると、従来のHDD(ハードディスクドライブ)よりも速いデータアクセス速度が得られます。これにより、取引の実行速度が向上します。

EAの稼働数とVPS性能

EAを複数稼働したい場合には、VPSの性能がネックとなり、処理が間に合わなくなったり、最悪の場合には停止してしまう恐れもあります。

その原因としてはRAMが足りていないことがほとんどです。

目安としては、稼働するEAの数×0.25GB以上のRAM数があると比較的安心です。ただし稼働するEAの処理項目や表示するチャートの数など他の要素も影響するためあくまでも目安としてお考えください。

<サービスプロバイダーの一例>

シン・クラウドデスクトップ for FX

アフィリエイト広告を利用しています。

価格とコスト効率

  • 月額料金: VPSのコストはプロバイダーによって異なります。必要なリソースに応じて、最もコスト効率の良いプランを選ぶことが重要です。
  • 長期契約の割引: 長期契約を提供するプロバイダーは、短期契約よりも割引を提供することがあります。長期的なトレーディング計画がある場合は、これらのオプションを検討する価値があります。

サポートとアップタイム保証

  • 顧客サポート: 万が一のトラブル時に迅速に対応してくれる優れた顧客サポートは非常に重要です。24/7のサポート提供や、ライブチャット、電話、メールでのサポートオプションを持つプロバイダーを選ぶと良いでしょう。
  • アップタイム保証: VPSプロバイダーが提供する稼働時間の保証を確認してください。99.9%以上のアップタイムは、FX取引における安定した環境を確保する上で望ましい水準です。

レビューと評判

VPSを選択する際は、これらの要因を慎重に評価し、自身の取引ニーズに最も適合するサービスを見つけ出すことが重要です。適切なVPSを選択することで、FX取引の効率性、安定性、そしてセキュリティを向上させることができるでしょう。

VPSを提供しているプロバイダーの一覧を過去の記事で紹介しています。

VPSの設定と管理

FX取引にVPSを導入した後、取引環境を最適化し、継続的に管理することが重要です。この章では、VPSを設定し、管理するための基本的なガイドラインを提供します。

VPSへのMT4/MT5のインストールと設定

  • ステップ 1: VPSにアクセスする
    VPSプロバイダーから提供されたログイン情報を使用して、リモートデスクトップ接続(Windowsの場合)やSSHクライアント(Linuxの場合)を介してVPSにアクセスします。
  • ステップ 2: 取引プラットフォームのダウンロード
    MetaTrader 4 (MT4) や MetaTrader 5 (MT5) など、使用する取引プラットフォームのインストーラーをダウンロードします。公式サイトやブローカー提供のリンクから入手できます。
  • ステップ 3: 取引プラットフォームのインストール
    ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従って取引プラットフォームをVPSにインストールします。
  • ステップ 4: プラットフォームの設定
    MT4/MT5を起動し、取引アカウントでログインします。必要なエキスパートアドバイザー(EA)やカスタムインディケーターを設定し、取引環境をカスタマイズします。

実際の設定方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

トレード環境のカスタマイズと最適化

  • パフォーマンスの最適化: 不要なアプリケーションやサービスを停止して、システムリソースを節約し、取引プラットフォームのパフォーマンスを向上させます。
  • 安定性の確保: 定期的な再起動スケジュールを設定し、システムアップデートを適用して、VPSの安定性とセキュリティを維持します。
  • ネットワーク設定の調整: 可能であれば、ネットワーク設定を調整して、取引サーバーへの接続速度を最適化します。

バックアップとセキュリティ更新のスケジューリング

  • バックアップの実施: 重要な取引データや設定を定期的にバックアップすることで、システム障害やデータ損失から保護します。多くのVPSプロバイダーは、自動バックアップサービスを提供しています。
  • セキュリティ更新: セキュリティ脆弱性を防ぐために、オペレーティングシステムや取引プラットフォームの更新を定期的に実施します。自動更新を有効にするか、手動で定期的にチェックしましょう。

VPSの設定と維持管理は、FX取引における成功のために不可欠です。これらのステップに従うことで、取引プラットフォームのパフォーマンスを最大化し、取引環境を安全に保ちながら、トレードの機会を最適に活用することができます。

まとめ

VPSの基本的な事柄かその選び方、MT4設定方法を紹介しました。

FX用のVPSを提供しているプロバイダーは数多くありますが、はじめての場合は日本語でのカスタマーサポートがある会社にお願いするのが無難です。